【洋食未経験の初心者必見！】プロが使う包丁9選と選び方をフレンチシェフが徹底解説!!

たしかに調理科の学校を卒業した人と違って、飛び入りでプロの料理人を目指す方は自分の包丁を持っていません。

包丁の種類や値段もたくさんあって、何を買えばいいのか悩みますよね。

基礎を身につけたら、必要に応じて用途別に特化した包丁を買ってみましょう。

5年に一度くらい、包丁はもらえるものだと勘違いして手ぶらで初出勤する人がいますが…

居酒屋やカフェでは、共用の包丁を用意しているかもしれませんが、プロの料理人を目指すなら最初から自分の包丁を準備するほうが良いでしょう。

この記事では、ホテルフレンチ歴10年以上のマオネコが、
調理科の学校を出ていないけどフレンチやイタリアンのプロを目指している【未経験の初心者】のために、包丁の選び方について解説します。

それでは、いってみよう!!

※以下、「フレンチやイタリアン」だと長いので、「洋食」と表記します。

包丁の選び方│見習い料理人にはステンレス製の包丁がオススメ

包丁の素材は大きく分けて鋼とステンレス製の２種類から選ぶことが多いです。

ステンレス製の包丁はサビにくく扱いやすいため、見習いにはステンレス製の包丁を選ぶのをオススメします。

一方、鋼の包丁は切れ味が抜群ですが、サビやすく手入れが難しいので、見習いのうちはオススメできません。
腕に自信をつけて、料理人を長く続けていけそうなら買うと良いでしょう。

洋食でよく使う包丁9選

食材ごとの用途別に特化した包丁はひとつひとつ挙げていったらキリが無いほどありますが、
この記事ではその中でも洋食でよく使う9種の包丁を紹介します。

小さなレストランか、大規模なホテルの宴会を担当しているかで必要な包丁の種類は変わります。

洋食で必要な包丁3選│牛刀・ペティナイフ・出刃包丁

• 牛刀
• ペティナイフ
• 出刃包丁

牛刀・ペティナイフ・出刃包丁があれば、洋食の基本的な作業はほとんどこなせます。

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牛刀(シェフナイフ)│必要度5.0

牛刀は肉、魚、野菜と様々な食材を切ることができるため、最優先で持っておくべき包丁です。

最初から高価なものを買う必要はありませんが、牛刀は長く仕事を共にする相棒です。
自分の気に入ったデザインや持ちやすさにこだわって選ぶと良いでしょう。

ペティナイフ│必要度5.0

ペティナイフは果物や小さな野菜の皮むき、飾り切りなど細かい作業に適しています。

あまり高価なものを買う必要もありません。
ホームセンターや某急ハンズで売っている3,000円程度のもので十分活躍できます。

出刃包丁│必要度4.8

出刃包丁は魚をおろすのに最適な包丁です。
洋食なら、骨付きの仔羊や丸鶏をさばく「骨スキ包丁」の代わりにも使えます。

刃渡りは16cm〜18cm程度がオススメです。

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洋食で持っていると便利な包丁6選

プロの包丁は食材ごとに特化した役割があります。

筋引き包丁│オススメ度4.5

筋引き包丁は牛サーロインや豚ロースなど大きな肉の筋(スジ)を取り除くための包丁です。
牛刀に比べ刀身が細く長いのが特長です。

魚をおろす機会が少ないレストランなら、出刃包丁より筋引きを先に購入してもいいでしょう。

肉の筋は、包丁の根本から切っ先にかけて引くため、牛刀より長いほうが効率的に作業ができます。
刃渡りは27cm～30cmがオススメです。

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骨スキ包丁│オススメ度3.5

骨スキ包丁は骨周りの肉を取り除くことに特化した包丁で、出刃包丁より軽くて小回りが効くのが特長です。

洋食では骨付きの仔羊や丸鶏をさばくことが多いので、ホテル宴会のガルド・マンジェ(コールドセクション)担当が長くなるなら、持っておきたい1本です。

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シャトーナイフ│オススメ度3.5

シャトーナイフは人参やズッキーニをシャトー剥きするのに特化した包丁です。少量の仕込みならペティナイフで十分です。

宴会でシャトーを大量に仕込むなら、シャトーナイフの方が小回りがきいて手首を傷めないメリットがあります。

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サーモンナイフ│オススメ度3.0

サーモンナイフは薄くて長く、溝がついた包丁で、身割れしやすいサーモンをスライスするのに特化した包丁です。

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生ハム用ナイフ│オススメ度3.0

長く薄い〝しなる〟刃で生ハムを均等にスライスすることができ、美しい見た目と滑らかな食感を引き出すことができます。

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ソールナイフ│オススメ度1.5

刀身が薄く、〝しなる〟のが特長で、ドーバーソール(舌平目)をおろすのに特化した包丁です。

ただし刃が柔らかすぎるため、他の業務には適していません。

ドーバーソールをよく使うレストランなら持っておくと便利です。

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プロは三徳包丁を使わない

まったく料理経験のない見習い希望の方からよくある質問です。

結論から言うと、
プロの料理人を目指すなら、三徳包丁はオススメしません。

三徳包丁はあくまで家庭用です。
大量調理には不向きなので、プロを目指すなら専用の包丁を揃えましょう。

具体的には、以下の理由が挙げられます。

• 切れ味が持続しにくい: 家庭用の三徳包丁は、切れ味が落ちやすく作業効率が悪くなります。
• 用途に特化していない: 三徳包丁は万能ですが、牛刀より短く、ペティナイフほど細かい作業はできません。
• 大型の食材に対応できない:レストランで仕入れる魚は尾頭付きで市販のものより大きいため、三徳包丁でおろすのは難しいです。

結局、牛刀、ペティナイフ、出刃包丁など、それぞれの用途に特化した包丁を使い分けるほうが、効率的に仕込みができます。

安全に包丁を持ち運ぶために│包丁ケースも持っておこう

包丁ケースを持つメリット

• 管理と持ち運びが楽: キッチンにはスタッフの似たような包丁が多いです。
  ケースに入れることで、探す手間が省けて持ち運びも楽になります。
• 銃刀法対策: 包丁ケースに入れて持ち運ぶことで、銃刀法違反のリスクを減らすだけでなく周囲の安全も確保できます。

包丁をタオルとラップを巻くだけで持ち運ぶ人がいますが、電車が揺れた拍子に誤って近くの人を怪我させた事例もあるので気をつけましょう。

包丁ケースの選び方│ケースタイプと布巻きタイプから選ぼう

包丁ケースは主にケースタイプと布巻きタイプの2つがあります。

ケースタイプ

 メリット

• プラスチックや金属で作られているため、外部からの衝撃にも強く、移動中の包丁の損傷を防げる。
• カギ付きのタイプも多いので、セキュリティ面でも安心。

 デメリット

• 重くてかさばりやすく、持ち運びにはやや不便です。
• 収納スペースを多く取るため、保管場所を選ぶ。
• 1万円以上と、高価なものが多い。

布巻きタイプ

 メリット

• 軽量でコンパクトなため、持ち運びがしやすい。
• キャンバスやナイロン素材で作られており、柔軟性があり収納しやすいのが特徴。
• 頻繁に持ち帰ったり、移動するなら便利です。
• 1000円〜3000円前後とリーズナブルでデザインも豊富。

 デメリット

• 衝撃に対する保護力が低いため、包丁の刃が欠けたりするリスクがあります。
• カギが無いのでセキュリティ面では頼りない。

未経験からプロの料理人をめざす人にオススメ│予算3万円以内で包丁を揃えよう。

たしかに値段も種類もメーカーもたくさんあって迷いますよね。

最初はよっぽど安物でない限り、自分の気に入ったデザインで選んでも大丈夫です。

最初から高価な包丁を買ったからと言って、料理の腕前が上がるわけではありません。

 むしろ変な研ぎ方をして、せっかくの上等な包丁をナマクラにする可能性すらあります。

はじめの1本目は研ぎの練習も兼ねて高価なものは買わないほうが良いでしょう。

初心者に大事なのは、以下の3つです。

• 安全に包丁を扱うこと。
• 食材の切り方を覚えること。
• 包丁の研ぎ方に慣れること。

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※2024年6月30日時点での価格です。

＼包丁を買ったら、洋食の食材の切り方を覚えよう！／

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＼未経験者のために、フレンチの基本的な調理法について解説した記事もあります！／

まとめ

調理科の学校を卒業していない【未経験の初心者】に向けて、プロの料理人を目指すために必要な包丁の種類と選び方について解説しました。

洋食のプロを目指すなら、以下の3本は必須です。

• 牛刀…刃渡りは24cm~27cmがオススメ。
• ペティナイフ…刃渡りは13cmがオススメ。
• 出刃包丁…刃渡りは16cm~18cmがオススメ。
  ステンレス製の包丁はサビにくく、初心者にも扱いやすいです。

これさえあれば、洋食の基礎を身につけることができます。

予算3万円でできる包丁の揃え方はこちらです。

基礎を身に付けた後は、以下の包丁も用途に応じて購入を検討すると良いでしょう。

安全な管理と持ち運びのために、包丁ケースも用意しておくと便利です。

• ケースタイプ: 高価で持ち運ぶにはやや不便だが、カギ付きでセキュリティ面が強い。
• 布巻きタイプ: 安価で持ち運びやすく、出し入れも簡単だが、セキュリティ面では劣る。

包丁はプロの料理人にとって、長く仕事を共にする大切な相棒です。
大事に扱えば10年以上使うことができます。

だんだん短くなっていく包丁を眺めながら、自分のこれまでの経験をかえりみるのは感慨深いものです。

料理人として働いていると、楽しいことだけじゃなく辛いことや壁にぶつかるときもあると思います。

そんな時は、最初に包丁を手にした日の気持ちを思い出して初心に戻るとモチベーション向上につながります。