こんにちは!フランス料理人のマオネコです!
フレンチの中でも特に人気の高い「コンフィ」。
鶏もも肉のコンフィ」というメニューをよく見かけるけど、
どうやって作っているんですか?
「低温の油で煮る」と言われても、よく分からないです……。
見た目は焼いてるだけのようだけど、ソテーやポワレとは違うんですか?
実は、コンフィはそのシンプルな見た目からは想像できないほど、シェフの技術が込められた繊細で手の込んだ調理法です!!
- ホテルでフランス料理を10年以上続けています。
- 現在はシェフ・ド・パルティ(部門シェフ)
- 調理師免許の上位資格、【西洋料理専門調理師】取得。
それでは、いってみよう!
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コンフィ(confit)とは│食材を「低温の油で煮る」調理法のこと
コンフィとは簡単に言うと食材を「低温の油で煮る」調理法のこと。
食材にもよりますが、肉の場合、油の温度は約68〜73℃ほどです。
沸騰したお湯が100℃、唐揚げやフライドポテトを揚げるときの油の温度が170~180℃と比べると、コンフィをつくる時の油の温度はだいぶ低いですね!
次はコンフィについて少し深堀りした知識の解説をします
読み飛ばしても問題ないので、コンフィのレシピはこちらから読めます。
コンフィについてはこちらの専門書もオススメです!
おすすめ度:
コンフィは保存性に優れている
コンフィは保存性に優れており、油脂に完全に浸ることで酸素を遮断し、酸化や細菌の繁殖を防ぐことができます。
コンフィの語源はフランス語の「コンフィル」(”confire”、「保存する」)とされています。
これにより、冷蔵技術が発達する前の時代でも、肉や魚を安全に保存することができました。
現代では真空パックやジップロックに入れて冷凍保存も出来ますが、適切に管理すれば約1ヶ月ほど冷蔵保存も可能です。
ちなみによく似た言葉で、フルーツのコンフィチュールがあります。
これはジャムのようなもので、同じように「コンフィル」(”confire”、「保存する」)が語源の保存食です。
また1つ賢くなってしまった。
コンフィに適している食材
基本的には
- 鶏や鴨の骨付きもも肉
- 豚の肩ロースやバラ肉などゼラチン質のあるブロック肉
- 新鮮なサーモンや白身魚(安全のため、必ず新鮮な生食・刺身用)
- じゃがいもやニンニクなどホクホクさせると美味しい野菜
などがコンフィに適しています。
次はいよいよ実践的なレシピをご紹介します。
コンフィの基本的な調理法
ここでは最も基本的な鶏もも肉のコンフィのレシピをご紹介します。
今回紹介する低温調理器を使った調理法なら、なんと家庭でもプロの味が再現できます!!
鴨もも肉でも美味しく出来ますが、羽が残っていて処理が面倒くさい大変なので、安価で手に入りやすい鶏もも肉でご紹介します。
本来コンフィは鍋にたっぷり入れた動物性の脂(ラードやガチョウの脂)で煮るのが伝統的な調理法なのですが、
近年では真空調理やジップロックに少量の油を入れて、低温調理器やスチームコンベクションで作るのが手軽で便利です。
日常的に作るのは難しいかもしれませんが、クリスマスやお誕生日など、特別な日やパーティの際に作ると喜ばれること間違いなしです!
鶏もも肉のコンフィ(confit de poulet)の作り方
鶏もも肉のコンフィの材料
- 鶏もも肉(骨付き)……1本(約200~250g)
- 塩……肉の重さに対して1%(100gなら塩は1g)
- オリーブオイルまたはラード
- タイム・ローズマリー……少々(どちらかでも可。どちらもなければローリエでも良いです。)
- ニンニク……1~2スライス(適量)
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鶏もも肉のコンフィ~作り方~
鶏もも肉の重さに対して1%の塩(肉が100gに対して1gの塩)をしっかりすり込み、一晩(できれば12時間以上。)冷蔵庫で寝かせる。
鶏もも肉、オリーブオイルまたはラード、ハーブ、ニンニクをジップロックに入れる。(又は真空パックする)
長時間加熱することで、骨に含まれるコラーゲンがゼラチンに変わり、コンフィ特有のホロホロとした食感になります。
ついでに、あらかじめ蒸したジャガイモも一緒にソテーすると、ニンニクとハーブの香りが移った油で焼き上がるので、美味しい付け合せになります。
塩とハーブ、ニンニクで十分味がついているので、カットレモンや粒マスタードでシンプルに食べるのがオススメです!!
コンフィとソテー、ポワレとの違いについて
STEP4で焼色を付けていましたが、結局ソテーやポワレとコンフィはどう違うのですか?
STEP3までの工程がコンフィ(低温の油で煮る)です。
STEP4の仕上げは広い意味ではソテーですが、厳密に言うとフレンチの専門用語で【リソレ】(焼き色を付ける)と言います。
- 【コンフィ】=低温の油で煮る調理法。※仕上げに表面を焼くことは【リソレ】(焼き色を付ける)と言う。
- 【ソテー】=フライパンで炒める調理法。
- 【ポワレ】=フライパンとオーブンで「蒸し焼き」にする調理法。
🐾ポワレやソテーに関しては、こちらの記事で詳しく解説しています!!🐾
コンフィを家庭で再現するなら低温調理器がオススメ。
コンフィは温度管理が非常に難しい調理法です。
昔ながらの鍋で作る方法となると、温度計と常に睨めっこしないといけませんし、長時間火にかけるためコンロから離れられません。
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マオネコは炊飯器の保温機能で作ったことがありますが、お湯が途中で55度まで下がってしまい、追加でお湯を足すなど、温度管理が大変でした。
炊飯器で作るのは食中毒の危険があるので不慣れな方にはオススメはしません。
温度管理が安定している低温調理器がオススメです!!
安全な低温調理のために。│低温調理器でコンフィにするときの注意点!
低温調理に挑戦するなら食の安全のためにも、ここだけは必ず読んでほしいです!!
食中毒を防ぐためには、食品ごとの安全な中心温度と加熱時間を知ることが重要です。
基本的に、食品の中心温度が75℃以上で1分以上の加熱をすれば、ほとんどの食中毒菌は死滅します。1
あれ?低温調理では、68〜73℃で調理することが多いですよね?
75℃に満たないけど、食中毒の危険がありませんか?
たしかに、68〜73℃の温度帯で火入れすることで、タンパク質が固くならず、素材の水分(旨味)を保ちながら仕上げられるのが低温調理の特徴ですが、加熱時間不十分だと、食中毒菌が残り、食中毒のリスクが高まります。
低温調理でもプロが安全に提供できるのは、食品衛生の知識を持ち、食品ごとの安全な中心温度と加熱時間を正確に管理しているからです。
- 基本的に、食品の中心温度を75℃以上で1分以上加熱すると、ほとんどの食中毒菌が死滅し、安全に食べることができる。
- 低温調理が長時間かかるのは、肉を柔らかくするだけでなく、食中毒菌を確実に死滅させるため。
- 低温調理を75℃以下で行う際には、食材ごとに適切な中心温度と加熱時間をしっかり把握する必要がある。
より詳しい公式ブログもご紹介します。
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まとめ
今回は【コンフィ】についての解説となりました。
コンフィはもっと難しいものだと思っていましたが、正しい知識と低温調理器があれば誰でも安全で美味しいプロの味が再現できることが分かりました。
それでは今回のまとめです!
- コンフィは低温の油で煮る調理法のこと。
- 鶏ももや鴨もも肉、豚ロースがコンフィに最適。サーモンやジャガイモ、にんにくでもコンフィができる。
- 家庭や小規模なお店なら低温調理器で作るのがおすすめ。
- 低温調理に挑戦するなら、食品ごとの安全な中心温度と火入れ時間を正確に管理すること!
今後も専門用語をわかり易く解説した記事や、便利な調理機器を使ったレシピも紹介していきますので楽しみにしてください!
コンフィについてはこちらの専門書もオススメです!若手シェフならぜひ持っておくべき本です!!
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