こんにちは!フランス料理人のマオネコです!
新人や見習いの料理人は、最初にコールドセクション(ガルドマンジェ、ガデマン)に配属されることが多いです。プロの現場に慣れてきましたか?
少しずつ仕事に慣れてきたけど、先輩からフランス語で指示されるとうまく理解できません。
専門書やレシピ本を読んでいるとき、キッチンで聞いたことがない用語が出ると困ります。
たしかにフレンチの調理用語を覚えていないと、仕事や料理のイメージが難しいですよね。
- アスピック (aspic)
- ヴィネグレット (vinaigrette)
- ガトー (gâteau)
- クリュディテ (crudités)
- クネル (quenelle)
- コンポート (compote)
- サルピコン (salpicon)
- ジュレ (gelée)
- シャルキュトリー (charcuterie)
- タブーレ (taboulé)
- テリーヌ (terrine)
- ナッペ (napper)
- パテ (pâté)
- ピューレ (purée)
- マリナード (marinade)
- ミキュイ (mi-cuit)
- ムース (mousse)
- メスクラン (mesclun)
- メランジェ (mélanger)
- リエット (rillettes)
※あいうえお順
フランス語表記と日本語読みと合わせて分かりやすく、丁寧に解説します!
- ホテルでフランス料理を10年以上続けています。
- 現在はシェフ・ド・パルティ(部門シェフ)
- 調理師免許の上位資格、【西洋料理専門調理師】取得。
それでは、いってみよう!
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この記事の参考文献
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フランス料理│コールドセクション(ガルドマンジェ)でよく使う調理用語20選
1,600以上の単語から厳選した、コールドセクションでよく使う調理用語20選はこちら。
調理用語 | 意味 |
---|---|
アスピック (aspic) | ゼリー寄せ。 |
ヴィネグレット (vinaigrette) | フレンチドレッシング。 |
ガトー (gâteau) | お菓子。 |
クリュディテ (crudités) | 生野菜の盛り合わせ。 |
クネル (quenelle) | つないだ すり身をフットボール型にした料理。またはその形にすること。 |
コンポート (compote) | 果物や野菜のシロップ煮。 |
サルピコン (salpicon) | 具材の混ぜ合わせ。 |
ジュレ (gelée) | ゼリー。 |
シャルキュトリー (charcuterie) | ハムやソーセージなど加工肉製品の総称。 |
タブーレ (taboulé) | クスクスのサラダ。 |
テリーヌ (terrine) | パテや肉を四角い型に詰める料理。 |
ナッペ (napper) | 塗る。 |
パテ (pâté) | ハンバーグのタネのようなもの。 |
ピューレ (purée) | 野菜やフルーツの滑らかなペースト。 |
マリナード (marinade) | 調味液。 |
ミキュイ (mi-cuit) | 半焼き、半生。 |
ムース (mousse) | 泡のように滑らかな冷製料理。 |
メスクラン (mesclun) | ミックスサラダ。 |
メランジェ (mélanger) | 混ぜる。 |
リエット (rillettes) | 肉のペースト。 |
※あいうえお順。
アスピック (aspic)
アスピックは「ゼリー寄せ」という意味。
ゼラチン液と食材を合わせて、グラスや型に流して固めた料理のこと。
冷涼感があり見た目も美しく、フレンチのオードブルに欠かせない技法です。
ヴィネグレット (vinaigrette)
ヴィネグレットはシンプルなフレンチドレッシングのこと。
サラダだけでなく、カルパッチョや魚料理の仕上げにもよく使用されます。
ヴィネグレットをベースに、ハーブのピューレを加えたり、すりおろしたライムの皮を加えたり応用が効きます。
ガトー (gâteau)
ガトーはフランス語で「お菓子」という意味。
料理をお菓子のように盛り付けることを「ガトー仕立て」とメニュー表記します。
クリュディテ (crudités)
クリュディテは生野菜のこと。
野菜スティックやトッピング用にスライスしたラディッシュなどを指します。
クネル (quenelle)
クネルは「はんぺん」や「つみれ」のように肉や魚のすり身をたまごや脂肪でまとめ、フットボール型に整えた料理のこと。
ムースやリエット、アイスクリームをスプーンでフットボール型にする工程を指すこともあります。
(※マオネコは整形する方の意味で使うことが多かったです。)
コンポート (compote)
コンポートは、果物や野菜をシロップ煮にした料理。
ワインで煮たり、スターアニスなどのスパイスを加えたりすると、香り高く上品に仕上げられます。
コンポートは生ハムやパテ・ド・カンパーニュなどコールドミートとの相性も抜群!
季節の果物や野菜のコンポートのレシピがあると料理の幅が広がります!
いずれレシピを紹介する記事を作成予定です。
サルピコン (salpicon)
サルピコンは、小さなサイの目切り(ブリュノワーズ)にした具材を混ぜ合わせたもの。
主にスペイン料理の「魚介と野菜のサルピコン」や後述する「クスクスのタブーレ」を作るときに出てきます。
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ジュレ (gelée)
ジュレは、「ゼリー」のこと。
白身魚のカルパッチョやコールドミートと相性が良く、宴会の大皿では照明に反射して鮮やかな〝あしらい〟となります。
みなさんがイメージするフルーツ果汁のゼリーだけでなく、フレンチではビネガーやコンソメにゼラチンを加えて「ジュレ」にすることが多いです。
「アスピック(ゼリー寄せ)」とセットで覚えよう!
この記事の参考文献
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シャルキュトリー (charcuterie)
シャルキュトリーはハムやソーセージなど、主に豚肉を使った加工肉製品の総称です。
シャルキュトリーの例
- ハモンセラーノ(生ハム)
- サラミ
- パテ・ド・カンパーニュ
- リエット
最近はおしゃれな居酒屋やバーでも「シャルキュトリー盛り合わせ」とメニューにあるので、一般的にも広まっていますね。
タブーレ (taboulé)
タブーレはクスクスに野菜やハーブを混ぜ合わせた中東料理起源のサラダ料理。
シーフードと相性が良く、フレンチでは定番の前菜です。
パプリカと玉ねぎをサルピコンにして、クスクスのタブーレを仕込んで。
このように指示されるので、タブーレとサルピコンはセットで覚えましょう。
※カリフラワーを細かく切るなど、クスクスに見立てた食材で「タブーレ」と表記することもあります。
テリーヌ (terrine)
テリーヌは長方形の容器(テリーヌ型)に食材を詰めた料理。
※丸いトヨ型で作る場合でも「テリーヌ」と呼びます。
テリーヌの魅力は、断面の美しさにあります。
一度に大量調理が可能なため、披露宴や宴会のメニューに適しています。
ナッペ (napper)
ナッペは「塗る」こと。
- バターをナッペする。
- バケットにリエットをナッペする。
- スポンジケーキに生クリームをナッペする。
というように表現します。
パテ (pâté)
パテは肉や魚、野菜を挽いて、玉子などでつないだもの。
パテ・ド・カンパーニュ(田舎風パテ)が代表的な料理です。
わかりやすく例えるとハンバーグのタネ(パティ)のようなものです。
ハンバーグとパテはどう違うのですか。
ハンバーグとの違い
- ハンバーグはひとつずつ焼くのに対し、パテは基本的にテリーヌ型で仕上げる。
- パテはレバーやオリーブの実、ナッツなど様々な食材を加えるレシピが多い。
※パテ・ド・カンパーニュはテリーヌ型で作るので、「お肉のテリーヌ」とメニュー表記することもありますが、明確な違いはありません。ネーミングは作り手の気分です。
ピューレ (purée)
ピューレは果物や野菜を裏ごしたり、ミキサーにかけたりして滑らかなペースト状にしたもの。
- ポテトのピューレ
- 人参のピューレ
- ハーブのピューレ
- マンゴーのピューレなど…
基本的に、水やオリーブオイル、素材そのものの水分で撹拌するとピューレになります。
ピューレはマヨネーズのアレンジや、ムースのベースになるためフレンチの必須アイテムです。
【コラム】ピューレとクーリの違い│粘度が高いほうがピュレ、低いほうがクーリ。
ピューレとよく似た食材に、「クーリ」があります。
どちらも同じ作り方ですが、「クーリ」はピューレに比べサラッとして液体に近い状態です。
明確な基準は特に無いので、シェフの感覚で使い分けています。
マリナード (marinade)
マリナードは食材に風味を付けたり、柔らかくしたりするための調味液のこと。
マリナードの例
- タンドリーチキンのヨーグルトとカレーベースの調味液
- エスカベッシュの南蛮酢
料理によって違うため決まったレシピがあるわけではありません。
マリナードに浸けることを「マリネ」と言います。
ミキュイ (mi-cuit)
ミキュイは「なかば火の通った」・「半生の」という意味。
主に肉や魚を表面は焼けているが中心部分は生に近い状態に仕上げます。
- 帆立貝柱のミキュイ
- サーモンのミキュイ
- マグロのミキュイなど……
新鮮な魚介を低温で茹でたり、炙ったりするときによく使う表現です。
ムース (mousse)
ムースは「泡」を意味し、前菜からデザートまで用いられるフレンチの基本的な調理法です。
泡立てた生クリームやメレンゲを合わせ、軽くて滑らかな食感を出すことが最大のポイントです。
野菜のムースは見習いでも作りやすいので、レシピを紹介します。
野菜のムースの基本レシピ
- 野菜のピューレの重さに対して、
- ゼラチン……1.5~2%
- 生クリーム(7分立て)……10%
- 塩こしょう……適量
※ゼラチンの量は食材のでんぷん質やピューレの粘度によって調整が必要です。
たとえばカリフラワーのムースなら……
- カリフラワーのピューレ……100g
- ゼラチン……2g
- 生クリーム(7分立て)……10g
- 塩こしょう……適量
作り方
- カリフラワーピューレを加熱し、ゼラチンを溶かす。
↓ - 氷水で冷まし、粗熱が取れたら7分立ての生クリームを2~3回に分けて混ぜ合わせる。
↓ - 塩こしょうで味をととのえ、冷蔵庫で冷やして完成。
いずれ詳しいレシピや、様々なバリエーションを紹介した記事を書こうと思います。
メスクラン (mesclun)
メスクランはミックスサラダのこと。
後述する「メランジェ」とセットで覚えましょう。
メランジェ (mélanger)
メランジェは料理の過程で食材をボウルなどで混ぜ合わせる作業のこと。
- メスクラン用にレタスと水菜、玉ねぎをメランジェする。
- クスクスと野菜のサルピコンをメランジェしてタブーレを仕上げる。
この記事で習ったことばがたくさん出てきましたね。
リエット (rillettes)
リエットは長時間煮込んだ肉をほぐしてペースト状にした料理。
- 豚の肩ロース
- 豚のバラ肉
- 鴨のもも肉など
リエットは脂とコラーゲンが豊富な部位が適しています。
リエットは基本を抑えたら見習いでもすぐ作れます!
リエットの基本的なレシピ
マリネする時間も含め仕込みに2日ほどかかりますが、作り方はポタージュとほとんど同じで意外とかんたんです。
- 豚のバラ肉(皮なし)……200g
- 塩……2g(※肉の重さに対して1%の塩)
- 白こしょう……適量
- ローズマリー・ローリエ……各1本
- ニンニク……ひとかけ
- ミルポワ(人参・セロリ・玉ねぎなど香味野菜)……計50g
- 白ワイン……50cc
豚バラ肉を一口大に切って塩こしょうで味付けし、すべての食材をあわせ一晩マリネする。
フライパンで豚バラ肉をリソレする。(焼色をつける。)
※ミルポワは分けてとっておく。
鍋でミルポワをソテーする。しんなりしたら①の豚バラ肉と、浸らないくらいの水を加え、沸騰したら蓋をし、弱火で90分~120分煮込む。
豚肉がヘラで軽く押しても潰れるくらいホロホロになったら、ロボクープで煮汁・ミルポワとともにミキシングする。(※ローズマリー・ローリエは取り外す。)
煮汁は少しずつ加え、好みの固さに調節する。
※一晩冷やすとゼラチン質で固まるので、少し柔らかめが良い。
リエットは本来は粗めに肉の繊維が残る料理なので、ロボクープを回しすぎないのがコツ。
リエットは一度で大量に作れ長期保存も可能なので、アミューズや宴会メニューにピッタリです。
マオネコの好きな1品なので、いずれ様々なレシピを紹介した記事を書きたいです。
まとめ
今回は新人や見習い料理人がコールドセクション(ガルドマンジェ、ガデマン)でよく使う用語や料理名を解説しました。
この記事で1,600以上の単語から厳選した調理用語20選のおさらい。
調理用語 | 意味 |
---|---|
アスピック (aspic) | ゼリー寄せ。 |
ヴィネグレット (vinaigrette) | フレンチドレッシング。 |
ガトー (gâteau) | お菓子。 |
クリュディテ (crudités) | 生野菜の盛り合わせ。 |
クネル (quenelle) | つないだ すり身をフットボール型にした料理。またはその形にすること。 |
コンポート (compote) | 果物や野菜のシロップ煮。 |
サルピコン (salpicon) | 具材の混ぜ合わせ。 |
ジュレ (gelée) | ゼリー。 |
シャルキュトリー (charcuterie) | ハムやソーセージなど加工肉製品の総称。 |
タブーレ (taboulé) | クスクスのサラダ。 |
テリーヌ (terrine) | パテや肉を四角い型に詰める料理。 |
ナッペ (napper) | 塗る。 |
パテ (pâté) | ハンバーグのタネのようなもの。 |
ピューレ (purée) | 野菜やフルーツの滑らかなペースト。 |
マリナード (marinade) | 調味液。 |
ミキュイ (mi-cuit) | 半焼き、半生。 |
ムース (mousse) | 泡のように滑らかな冷製料理。 |
メスクラン (mesclun) | ミックスサラダ。 |
メランジェ (mélanger) | 混ぜる。 |
リエット (rillettes) | 肉のペースト。 |
フランス料理の調理用語は多岐にわたりますが、よく使う言葉はどのレストランでも共通しています。
調理用語をしっかりと覚えると、専門書の内容やレシピの理解が深まり、料理のイメージがしやすくなります。
このブログでは、
- フレンチの基本的な調理法
- 食材の切り方のフランス語
- 下ごしらえに関する調理用語
など、様々なテーマに細分化して解説した記事を用意しています。
あなたに必要なシーンに応じて無理なく勉強していきましょう!
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