こんにちは。フランス料理人のマオネコです!
フランス料理人として働き始めたけど、専門用語の多さに戸惑っていませんか?
セパレとかエマルジョンとか、難しくてよく分かんないです。
マオネコのブログではフランス料理の用語をジャンル別に解説した記事を書いてきました。
たくさんの料理用語を調べる中で、覚えておくべきだけど分類が難しい単語も多かったです。
今回はこれまでの記事でジャンル分け出来なかった基本的な用語を幅広く紹介します!
- アパレイユ (appareil)
- エピス (épices)
- エマルジョン (émulsion)
- カルトッチョ (cartoccio)
- ガルニ (garniture)
- クラリフェ (clarifier)
- コンディメント (condiment)
- ゼスト (zeste)
- セパレ (séparer)
- ソフリット (sofrito)
- ソミュール (saumure)
- タプナード (tapenade)
- チュイル (tuile)
- デュクセル (duxelles)
- ドレセ (dresser)
- ヌイユ (nouille)
- パセポン (※和製のためスペルなし)
- パピヨット (papillote)
- ファルス (farce)
- フェッテ (fouetté)
- フォン (fond)
- ポーピエット (pauppiette)
- ルー (roux)
- ルーレ (rouler)
- ルセット (recette)
※あいうえお順
こんなにたくさんあると何から覚えていいかわからないよ。
この中で特に優先的に覚えたい言葉を先に5つ紹介して、後半で残り20を網羅的に紹介します!
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- ホテルでフランス料理を10年以上続けています。
- 現在はシェフ・ド・パルティ(部門シェフ)
- 調理師免許の上位資格、【西洋料理専門調理師】取得。
それでは、いってみよう!
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この記事の参考文献
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この記事で優先的に覚えたいフランス料理用語5選
数が多いので、この記事で優先的に覚えたい5つから紹介します。
※マオネコの10年以上の経験に基づいて選びました。
料理用語 | 説明 |
---|---|
アパレイユ (appareil) | 玉子をベースにした混ぜ合わせた生地 |
エマルジョン (émulsion) | 乳化 |
ガルニ (garniture) | 付け合わせ |
フェッテ (fouetté) | 泡立てる |
フォン (fond) | 出汁 |
アパレイユ (appareil)とは?
アパレイユは玉子をベースに混ぜ合わせた液体状の生地のこと。
具体的には以下の料理の卵液を指します
- キッシュ
- フラン(洋風茶碗蒸し)
- プリンなど……
キッシュやフランは簡単に作れるため、見習い料理人でも任されることが多い料理です。
エマルジョン (émulsion)とは?
エマルジョンは油と水など通常は混ざり合わない液体を均一に混ぜ合わせたもの。
いわゆる「乳化」のことです。
エマルジョン(乳化)の例
- ドレッシング……(ビネガーと油によるエマルジョン)
- マヨネーズ……(玉子と油によるエマルジョン)
- スパゲッティ・ペペロンチーノ……(オリーブオイルと茹で汁によるエマルジョン)
見習い料理人でも、ドレッシングやマヨネーズの仕込みを任される事は多いので、エマルジョンの仕組みを覚えてセパレしないようにしましょう。
ガルニ (garniture)とは?
ガルニはメインディッシュに添える付け合わせや飾りのこと。
ガルニチュールとも呼ばれ、料理全体の見た目や味わいを引き立てる重要な役割を果たします。
ガルニの例
- ゆでたインゲン豆やブロッコリー
- 焼いたアスパラガス
- 人参のグラッセ
- マッシュポテト
- 野菜のチップスなど……
ガルニはシンプルな調理法から手の込んだ料理まで幅広く、料理人の個性や表現力が試される重要な役割があります。
とくに見習い料理人にとって、ガルニは火を使う作業として早い段階で任されるため、そのバリエーションやアイデアを常に考えておくことが大切です。
ガルニを考える際のポイント
- メインディッシュとの調和……濃厚なソースの肉料理には、さっぱりとした野菜のガルニが好相性。
- 色彩のバランス……緑、赤、オレンジなど、彩り豊かな野菜を組み合わせると、料理全体の見た目が華やかになる。
- 味わいの相性……酸味、甘み、苦みなど味のバランスを考慮する。脂っこい料理にはレモンを添えて酸味を加えるなど。
- 食感の多様性……クリスピーな食感のチュイルと、なめらかな野菜のピューレを組み合わせるなど、異なる食感を楽しめるよう工夫する。
- 調理法の使い分け……ボイル、グリル、フリットなど、異なる調理法を組み合わせる。
- 季節感の表現……旬の野菜や果物を使用する。
いずれガルニについて深堀りした記事を執筆する予定です。おたのしみに!
フェッテ (fouetté)とは?
フェッテは生クリームや卵白を泡立てること。
フェッテはデザートだけでなく、ムースを作るときやコンソメスープをクラリフェするときによく使う用語です。
フォン (fond)とは?
フォンは、ソースや煮込み料理のベースに使用するダシ汁のこと。
仔牛の肉や骨、鶏ガラ、魚のアラと香味野菜・香辛料を水から煮込んで作られ、料理全体の味わいを決定づけます。
フォンの例
- フォン・ド・ヴォー(仔牛のフォン)
- フォン・ド・ヴォライユ(鶏のフォン)
- フュメ・ド・ポワソン(魚のフォン)など。
※魚の場合、フォンではなく、フュメ・ド・ポワソンと表記する。
「白いフォン」「茶色いフォン」2種のフォンの違い
フォンは材料を生のまま煮出す「白いフォン」と、肉や骨・アラなどをオーブンで焼いてから煮出す「茶色いフォン」の2種で大別できます。
「白いフォン」と「茶色いフォン」はどう違うの?
- 白いフォン……色がつきにくいため、グラタンや白ワインのクリームソースなどのベースに適している。
- 茶色いフォン……茶色いソースや煮込み料理のベースに適しており、材料を焼くことで旨味がより抽出される。
フォンとジュー、ブイヨンの違いとは?
フランス料理にはフォンの他にジューやブイヨンがあるけど、違いはあるの?
フォン、ジュー、ブイヨン。全てダシという意味では同じです。それぞれの違いを表にまとめました。
ダシ | 説明 | 料理例 |
---|---|---|
フォン (fond) | 濃厚で風味が強く、ソースや煮込み料理のベースとして使用。 材料を長時間じっくり煮込んで作る※フュメ・ド・ポワソンは30分の短時間で煮込む。 | フォン・ド・ヴォー(仔牛) フォン・ド・ヴォライユ(鶏) フュメ・ド・ポワソン(魚のアラ) |
ジュー (jus) | 「汁」、「肉汁」を意味し、フルーツや肉・魚介の素材の水分のこと フォンに比べて短時間で煮出して作る事が多い。 肉や魚を加熱調理した際に出る肉汁は、そのまま煮詰めたり、バターを加えたりしてソースになる。 | ジュー・ド・ブッフ(牛肉) ジュー・ダニョー(仔羊) ジュー・ド・カナール ジュー・ド・コキヤージュ(貝) |
ブイヨン (bouillon) | さっぱりとした味わい、具材の風味が軽く感じられる 材料を比較的短時間(1〜2時間)煮込んで作る 主にスープのベースとして使用 | クールブイヨン(野菜のダシ) ブイヨン・ド・ヴォライユ(鶏) |
フォンやジュー、ブイヨンはフレンチで欠かせない重要なダシなので、もっと詳しく書きたいのですが、長くなるのでいずれ別記事でより詳しく紹介します。
\フォンやジューの理解を深めるための参考文献/
見習い料理人が覚えておきたい【フランス料理の基本用語25選】残りの20選
基本的な料理用語(その他編)25選の残り20を網紹介します。
料理用語 | 説明 |
---|---|
エピス (épices) | スパイス、香辛料 |
カルトッチョ (cartoccio) | 包み焼き |
クラリフェ (clarifier) | 液体を澄ませる技法 |
コンディメント (condiment) | 調味料、薬味 |
ゼスト (zeste) | 柑橘類の皮の表面 |
セパレ (séparer) | 分ける、分離する |
ソフリット (sofrito) | 香味野菜を炒めたもの |
ソミュール (saumure) | 塩水、塩漬け液 |
タプナード (tapenade) | オリーブのペースト |
チュイル (tuile) | 薄いクッキー状の生地 |
デュクセル (duxelles) | みじん切りキノコのペースト |
ドレセ (dresser) | 盛り付ける |
ヌイユ (nouille) | 麺類 |
パセポン (passe-purée) | パセリのみじん切り |
パピヨット (papillote) | 紙包み焼き |
ファルス (farce) | 詰め物 |
ポーピエット (pauppiette) | 具材を巻いた料理 |
ルー (roux) | 小麦粉とバターを炒めたもの |
ルーレ (rouler) | 巻く |
ルセット (recette) | レシピ |
この記事の参考文献
\プロオススメ!!スペルが分からなくても調理用語が調べられる!!/
エピス (épices)とは?
エピスはフランス料理におけるスパイスや香辛料の総称です。
代表的なエピスの例
- ナツメグ
- クローブ
- シナモン
- カルダモン
- スターアニス
- ターメリックなど
4種類のスパイスを混ぜ合わせて「カトルエピス」と言ったり、スターアニスを効かせたソースを「エピス風」とメニュー表記したりします。
スパイスで有名な「ギャバン」の商品をイメージすると分かりやすいです。
カルトッチョ (cartoccio)とは?
カルトッチョは食材をクッキングシートなどで包み焼きにし、香りと旨みを閉じ込める調理法です。
後述するパピヨットと似ていますが、カルトッチョはイタリア語です。
クラリフェ (clarifier)とは?
クラリフェは液体を澄ませる、または清澄化する技法です。
ブイヨンを卵白でクラリフェしてコンソメスープを作る工程や、バターを湯せんで溶かした上澄みのこと。
コンディメント (condiment)とは?
コンディメントは調味料や薬味のこと。
たとえば、ステーキにソースとは別に添える「味変」の調味料をコンディメントといいます。
- 合わせ塩
- 粒マスタード
- 西洋わさび
- ベアルネーズソースなど……
薬味やフルーツのうま味を活かした、オリジナルのコンディメントを作ることもあります。
ゼスト (zeste)とは?
ゼストは柑橘類の皮の表面を薄く削ったもの。
料理やデザートに香りを加えるためによく使用され、とくにレモンやライムがよく使われます。
包丁でみじん切りにする方より、専用のゼスターを使う方が苦みのある白い筋が入らず、削りやすいです。
セパレ (séparer)とは?
セパレは「分離する、分ける」という意味。
キッチンではドレッシングやマヨネーズ、ホイップクリームなどが失敗したときにネガティブな意味で使うので、あまり聞きたくないことばです。
ドレッシング作るときに油を一気に入れたらセパレするから気をつけろ。
と言ったりします。
ソフリット (sofrito)とは?
ソフリットはみじん切りにした人参・玉ねぎ・セロリなどの香味野菜を油でじっくり炒めたもの。
バターライスやボロネーゼ(ミートソース)などによく使います。
ソフリットを弱火でじっくり炒めることを「スュエ」といいます。
ソミュール (saumure)とは?
ソミュールは塩水または塩漬け液を指すマリネ液のこと。
肉や魚を漬け込んで味をつけたり保存したりするのに使用されます。
タプナード (tapenade)とは?
タプナードはオリーブ、ケッパー、アンチョビなどをペースト状にしたプロヴァンス地方の料理です。
バケットに塗って前菜にしたり、温めて魚のソースにしたり、応用の効く料理です。
チュイル (tuile)とは?
チュイルは薄くて脆いクッキー状のもの。料理の飾りや添え物として使用されます。
甘いものだけでなく、イカ墨やビーツのピューレを加えた塩味のチュイルはガルニとしても使えるので、様々なレシピを覚えていくと盛り付けの幅が広がります。
デュクセル (duxelles)とは?
デュクセルはみじん切りのキノコを炒めてペースト状にしたもの。
白身魚のソテーにのせたり、肉料理の詰め物や付け合わせにしたりと様々な用途があります。
特に牛肉の周りに塗ってからパイ包みにすると、肉汁の流出をおさえるだけでなく、じっくり火入れするためのクッションの役割も果たします。
ドレセ (dresser)とは?
ドレセは料理を美しく皿に盛り付ける作業のこと。
ヌイユ (nouille)とは?
ヌイユは麺類を指すフランス語。ヌードルのこと。
「ブッフ・ブルギニョン ヌイユ添え」のような使い方をします。
ファルス (farce)とは?
ファルスは詰め物や中身を指すことば。
肉や野菜を詰める際に使用する具材を指します。
ファルシという言葉もありますが、名詞か形容詞かの違いです。
ファルスとファルシの違い | 意味 | 例 |
---|---|---|
ファルス(farce)……名詞 | 詰め物 | ソーセージの中身の肉 ラビオリの中に詰めるチーズ ピーマンの肉詰めの肉など |
ファルシ(farci)……形容詞 | 詰物をした | ソーセージ ラビオリ ピーマンの肉詰め |
パセポンとは?
パセポンはパセリのみじん切りを指す和製の調理用語です。
パセリコンカッセが「パセコン」⇛パセポン」と訛ったとされています。
※諸説あります。
フランスでは使われない言葉ですが、日本のフランス料理界で便利な略語として定着しました。
パピヨット (papillote)とは?
パピヨットは紙包み焼きの調理法を指すフランス料理の用語です。
クッキングシートやアルミホイルを使って簡単に試せる調理法で、食材の旨みと香りを逃がさず調理できます。
ポーピエット (pauppiette)とは?
ポーピエットは細長い魚や薄切り肉で具材(ファルス)を巻いたクラシックなフランス料理のこと。
ホタテのムースリーヌを舌平目で包んだ「ドーバーソールのポーピエット」が代表的な料理です。
ルー (roux)とは?
ルーは小麦粉とバターを炒めたもの。ソースやシチューにコクと濃度(とろみ)を加えます。
基本的には同量の強力粉とバターを弱火で水分が無くなるまで炒めて作りおきします。
ルーを加えると鍋が焦げやすくなるので気をつけましょう!
ルーレ (rouler)とは?
ルーレは「巻く、転がす」という意味。
魚のカルパッチョに野菜を巻いたり、ロールケーキを巻くときにルーレと表現します。。
ルセット (recette)とは?
ルセットは料理の作り方や手順を記したレシピのこと。
まとめ
今回はこれまで紹介した用語解説の中で、ジャンル分けが難しかった基本的な料理用語を25個紹介しました。
その中でもこの記事で優先して覚えたい料理用語はこちらの5個!
料理用語 | 説明 |
---|---|
アパレイユ (appareil) | 玉子をベースにした混ぜ合わせた生地 |
エマルジョン (émulsion) | 乳化 |
ガルニ (garniture) | 付け合わせ |
フェッテ (fouetté) | 泡立てる |
フォン (fond) | 出汁 |
残りの20選をまとめた表はこちら
料理用語 | 説明 |
---|---|
エピス (épices) | スパイス、香辛料 |
カルトッチョ (cartoccio) | 包み焼き |
クラリフェ (clarifier) | 液体を澄ませる技法 |
コンディメント (condiment) | 調味料、薬味 |
ゼスト (zeste) | 柑橘類の皮の表面 |
セパレ (séparer) | 分ける、分離する |
ソフリット (sofrito) | 香味野菜を炒めたもの |
ソミュール (saumure) | 塩水、塩漬け液 |
タプナード (tapenade) | オリーブのペースト |
チュイル (tuile) | 薄いクッキー状の生地 |
デュクセル (duxelles) | みじん切りキノコのペースト |
ドレセ (dresser) | 盛り付ける |
ヌイユ (nouille) | 麺類 |
パセポン (※和製のためスペルなし) | パセリのみじん切り |
パピヨット (papillote) | 紙包み焼き |
ファルス (farce) | 詰め物 |
ポーピエット (pauppiette) | 具材を巻いた料理 |
ルー (roux) | 小麦粉とバターを炒めたもの |
ルーレ (rouler) | 巻く |
ルセット (recette) | レシピ |
どれも見習い料理人にとって早めに覚えたほうがいい基本的な料理用語です。
このブログでは他にも、様々なジャンル別で料理用語を解説した記事があります。
あなたの必要なシーンに応じて少しずつ覚えていきましょう!
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\プロオススメ!!スペルが分からなくても調理用語が調べられる!!/