【スーシェフとは】フレンチレストランの役職とポジションをプロが徹底解説!

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【スーシェフとは】フレンチレストランの役職とポジションをプロが徹底解説!
学生コック

スーシェフシェフの違いって何だろう?

新人コック

ガルドマンジェソーシエっどんな仕事をするの?

この記事では 調理師を目指す学生見習い料理人に向けて、フレンチレストランの役職各部門(ポジション)の役割を解説します。

この記事を書いたマオネコって?
  • ホテルでフランス料理を10年以上続けています。
  • 現在はシェフ・ド・パルティ(部門シェフ)
  • 調理師免許の上位資格、【西洋料理専門調理師】取得。

この記事で紹介する役職と部門(ポジション)はこちら!

フレンチレストランの主な役職
  • シェフ・ド・キュイジーヌ
  • スーシェフ
  • シェフ・ド・パルティ
  • コミ
フレンチレストランの主な部門(ポジション)
  • アントルメティエ
  • ガルド・マンジェ(ガデマン)
  • ソーシエ
  • ポワソニエ
  • ロティスール
  • パティシエ

フレンチレストランの実態や将来のキャリアアップのイメージを明確化し、フランス料理の世界をより深く理解しましょう。

この記事の参考文献

\フランス料理の歴史・文化から知識・哲学までこの1冊で学べる!!まさに料理人にとっての参考書!!

目次

フレンチレストランの役職と階級システム「ブリガード・ド・キュイジーヌ」とは

大勢のシェフがいるキッチンのイメージ。ブリガード・キュイジーヌの説明として引用。

現代のフレンチレストランにおける階級制度を「ブリガード・ド・キュイジーヌ」(厨房の旅団)といいます。

19世紀末にフランスの料理の父、オーギュスト・エスコフィエによって確立されました。

フランス料理の父、オーギュスト・エスコフィエの写真。氏のwikipediaより引用
オーギュスト・エスコフィエ(wikipediaより引用)1

ブリガード・ド・キュイジーヌは軍隊のような階級制度を導入し、各料理人の役割と責任を明確に定義しています。

フランス料理の厨房組織図、「ブリガード・ド・キュイジーヌ」の一例。図解。
ブリガード・ド・キュイジーヌの一例。
マオネコ

各部門にはシェフ・ド・パルティ(部門シェフ。リーダー)がいて、その下で複数のコミ(見習い)が働きます。

この組織構造により、各料理人が専門性を高めながら、厨房全体としての効率と品質を維持できます。

フレンチの主な役職と仕事内容

マオネコ

主な役職は以下の4つです。

役職概要
シェフ・ド・キュイジーヌ(chef de cuisine)シェフ。料理長。厨房の最高責任者。
スーシェフ(sous chef)副料理長。「スー」は「サブ」の意味。
シェフ・ド・パルティ(chef de partie)各部門の責任者。リーダー的な役割の中堅コック。
コミ(commis)見習いコック。
フレンチレストランの役職

シェフ・ド・キュイジーヌ(chef de cuisine)│料理長。シェフ

腕組をしているシェフのイメージ写真

シェフ・ド・キュイジーヌ厨房の最高責任者で、料理長のこと。

マオネコ

「シェフ」=「コックさん」のイメージですが、フレンチでは料理長のことです。

シェフの主な役割

  • メニュー開発
  • 食材の選定と品質管理
  • 厨房スタッフの採用と教育
  • コスト管理
  • 衛生管理の統括など……

大きなホテルでは、レストランごとにシェフを置くか、一人で複数のレストランを兼任することもあります。

  • 大きなホテルを統括する総料理長「グランシェフ」「エグゼクティブ・シェフ」
  • 個人で店を経営するシェフは「オーナーシェフ」といいます。

※ホテルや職場によって役職名は違います。

スーシェフ(sous chef)│副料理長

二人のシェフの写真

スーシェフ副料理長のこと。シェフの右腕として日々の厨房運営を担当します。

マオネコ

「スー」は英語の「サブ」という意味です。

スーシェフは調理指導、品質チェック、スタッフのシフト管理、在庫管理などを行います。

大きなホテルだとシェフは会議やメニュー考案でキッチンを離れる事が多いため、スーシェフが実質的に現場をまとめることが多いです。


逆に小さなレストランでは、スーシェフを配属しない場合もあります。

シェフ・ド・パルティ(chef de partie)│部門シェフ

魚をおろすシェフ

シェフ・ド・パルティは後述する各部門(ポジション)のリーダー的な役割があります。

ホテルではチームリーダースーパーバイザーと呼ばれることもあり、中堅として若手料理人の指導・育成をします。

シェフ・ド・パルティの主な業務

  • 担当部門(ポジション)の調理全般を統括
  • 部門内のスタッフ指導
  • 担当料理の品質管理
  • 食材の発注と在庫管理など……
マオネコ

ちなみにマオネコの現在の役職です。

コミ(commis)│見習い料理人

見習い料理人、「コミ」のイメージ

コミ見習い料理人のこと。

コミの主な役割は以下の通り

  • 食材の下処理
  • 調理器具の準備と清掃
  • 簡単な調理補助作業
  • 厨房内の整理整頓
  • 上位職からの指示に従った各種作業など……
新人コック

ところで見習いっていつまでが見習いなの?
役職(シェフ・ド・パルティ)に就くまでずっと見習いってこと?

たしかにコミは役職(タイトル)がつくまで明確な線引があるわけではありません。

努力と根性で早く卒業する人もいれば、5年、7年経ってもずっとソーシエを任されないような人もいます。

スタッフが多いと役職が詰まって、能力があっても なかなか役職がつかないケースもあるでしょう。

マオネコ

個人的な感覚としては、教わることより教えることが増えたときがコミ卒業のタイミングだと思います。

フレンチレストランの各部門(ポジション)の仕事内容について

マオネコ

フレンチレストランでは以下のように細かく分業化された専門ポジションがあります。

部門(ポジション)主な仕事内容
アントルメティエ(entremétier)温かい前菜やたまご料理、付け合せ(ガルニチュール)担当。コミ(見習い)が配属されることが多い。
ガルド・マンジェ(garde-manger)冷製料理・仕込み部門。ガデマン、またはコールドセクションとも呼ばれる。
ソーシエ(saucier)ソースの仕込み・管理。
昨今はポワソニエ(魚介料理)とロティスール(肉料理)もこなすキッチンで最も名誉な役割。
パティシエ(pâtissier)デザートの専門家。
フレンチレストランの部門(ポジション)と主な仕事内容

それぞれのポジションの役割と仕事内容を詳しく説明します。

アントルメティエ(entremétier)│温製の前菜担当

スパニッシュオムレツを作るアントルメティエ(コミシェフ)のイメージ

アントルメティエは温かい前菜や副菜を担当する部門。

アントルメティエの主な仕事内容の例

  • スープやパスタ
  • キッシュやパイなどの温かい前菜
  • オムレツやフランなどのたまご料理
  • メインディッシュの付け合せ(ガルニチュール)など……
マオネコ

比較的かんたんな料理が多くコミ(見習い)が担当することがほとんどです。

ガルド・マンジェ(ガデマン:garde-manger)│冷製料理・仕込み部門(コールドセクション)

肉の仕込みをするガルドマンジェ(ガデマン。コールドセクション)のイメージ

ガルド・マンジェ(ガデマン)は、ホテルなど大規模なレストランの冷製料理と、魚や肉の下処理を担当する部門

小規模なレストランだと単にコールドセクションと呼ぶことが多いです。

主な仕事内容の例

  • フルーツカットやサラダの準備
  • アミューズやオードブルの準備
  • ドレッシングやマヨネーズの仕込み
  • 魚や肉の下処理や、ポーションカット
  • パテ・ド・カンパーニュやテリーヌ(シャルキュトリー)の調理など……
  • コミ(見習い)がサラダやフルーツのカット、ドレッシングなど簡単な仕込みを担当。
  • シェフ・ド・パルティが魚や肉の下処理、シャルキュトリーなど難しい調理を担当します。
マオネコ

ガルド・マンジェは「なまもの」の扱いが多いため、食材の鮮度管理と衛生管理の意識が必要です。

ソーシエ(saucier)│ソースの仕込み・管理とメインディッシュの火入れ担当

フレンチの「ソーシエ」のイメージ
ソーシエ兼ポワソニエのイメージ

ソーシエはフランス料理の要であるソースを専門に担当します。

昨今では人材不足やキッチンの縮小化により、かつて分業されていたポワソニエ(魚介類の料理担当)・ロティスール(肉料理全般を担当)もソーシエが兼任するレストランがほとんどです。

ソーシエの主な仕事内容の例

  • ソースの品質管理と調整
  • ジュやフォン(だし)の仕込み
  • メインディッシュ(魚や肉、フォアグラなど)の調理(ポワソニエ、ロティスールの兼任)

ソーシエ高度な技術と豊富な経験が求められる重要なポジションです。

マオネコ

ソーシエを任されるようになったら、一人前になったと思っていいでしょう!

パティシエ(pâtissier)|デザート担当

デザートを仕上げるパティシエの写真

パティシエはデザートの専門家です。

大きなレストランでは、ベーカリー・ペストリー部門として独立しているため、料理人が製菓・製パンに関わることはほとんどありません。

しかし、小さなレストランでは専門のパティシエがいないこともあり、その場合はガルドマンジェ(冷製料理担当)がデザートも担当することがあります。

マオネコ

マオネコも、パティシエのいないレストランに配属された時は独学でデザートを作っていました。

いざという時のために、デザートの知識を持っておくと柔軟に対応できる力がつきます。

マオネコ

マオネコがパティシエ不在のピンチを独学で乗り切ったオススメの本を2冊紹介します。

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まとめ

フレンチレストランの厨房組織は、「ブリガード・ド・キュイジーヌ」と呼ばれ、各料理人の役割と責任を明確に定義しています。

これらの役職は、厨房全体の管理や運営に関する責任の度合いを示しています。

フランス料理の厨房組織図、「ブリガード・ド・キュイジーヌ」の一例。図解。
ブリガード・ド・キュイジーヌの一例。

フレンチレストランの役職

役職概要
シェフ・ド・キュイジーヌ(chef de cuisine)シェフ。料理長。厨房の最高責任者。
スーシェフ(sous chef)副料理長。「スー」は「サブ」の意味。
シェフ・ド・パルティ(chef de partie)各部門の責任者。リーダー的な役割の中堅コック。
コミ(commis)見習いコック。
フレンチレストランの役職

フレンチレストランの部門(ポジション)と主な仕事内容

部門(ポジション)主な仕事内容
アントルメティエ(entremétier)温かい前菜やたまご料理、付け合せ(ガルニチュール)担当。コミ(見習い)が配属されることが多い。
ガルド・マンジェ(garde-manger)冷製料理・仕込み部門。ガデマン、またはコールドセクションとも呼ばれる。
ソーシエ(saucier)ソースの仕込み・管理。
昨今はポワソニエ(魚介料理)とロティスール(肉料理)もこなすキッチンで最も名誉な役割。
パティシエ(pâtissier)デザートの専門家。
フレンチレストランの部門(ポジション)と主な仕事内容
新人コック

フレンチレストランの役職や仕事内容がどんなことか、よくわかりました!

マオネコ

まずはシェフ・ド・パルティを目指して料理の技術と知識を積極的に学びましょう!

年収や残業・休日の数など、労働環境に不安のある調理師のみなさんに朗報

マオネコ

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この記事の参考文献

\フランス料理の歴史・文化から知識・哲学までこの1冊で学べる!!まさに料理人にとっての参考書!!

  1. オーギュスト・エスコフィエ ↩︎
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この記事を書いた人

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🐾西洋料理専門調理師

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