ブレゼとは?│フレンチの「煮る調理法」4種をプロが徹底解説!!

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ブレゼ・エチュベ・ポッシェ・ラグーとは?│フレンチの「煮る調理法」4種をプロが徹底解説!!

みなさんはフランス料理で「煮る」ことを何というかご存知ですか?

新人コック

「シチュー」だと思いますが、他にも「煮る」調理法があるんですか?

マオネコ

たしかに、洋食で「煮込み」と聞くと真っ先に思いつくのは「シチュー」ですよね。実は「シチュー」(stew)は英語です。

フランス料理は繊細で高度な技術が求められるだけあって、一口で「煮る」と言っても実に4種類以上も調理法あります。

今回は、フランス料理の「煮る」調理法でも代表的な4種をわかりやすく解説します

詳しい解説をする前に、結論からまとめると以下のとおりです。

フランス料理の「煮る」調理法でも代表的な4種
  • ブレゼ(braiser)⇛食材を少量の水分とともに密閉して「蒸し煮」にすること。
  • エチュベ(étuvée)⇛野菜や素材自体の水分で「煮る」こと。
  • ポッシェ(pocher)⇛沸騰していない、やや低温のお湯でゆっくり火入れすること。
  • ラグー(ragoût)⇛野菜や肉を煮込む料理の総称。
通りすがりのペンギン

どれも似た者同士だね。煮たもの同士だけに!

それでは、いってみよう!

この記事を書いたマオネコって?
  • ホテルでフランス料理を10年以上続けています。
  • 現在はシェフ・ド・パルティ(部門シェフ)
  • 調理師免許の上位資格、【西洋料理専門調理師】取得。
目次

フランス料理における「煮る」調理法①│ブレゼ(braiser)とは

ブレゼ(braiser)は、「蒸し煮」と呼ばれる調理法で、フランス料理で覚えておくべき代表的な調理法の1つです。
数ある「煮る」調理法の中でも、最も複雑で技術が求められます。

食材の表面を焼き付けた後、少量の液体(ワイン、ブイヨン、水など)を加えて密閉した鍋でじっくりと煮込みます。

蒸し煮にすることで、水分に浸っている部分には旨味を移してソースにし、浸っていない部分は蒸気による熱循環で柔らかく仕上げることが出来ます。

直接コンロで煮込むこともあれば、上の写真のように鍋ごとオーブンに入れて長時間煮込むこともあります。

近年は、圧力鍋で調理したり、真空パックしてスチームコンベクションで自動で温度管理しながら仕上げる方法もあります。

基本的には、豚肩ロースや牛タンなどのブロック肉や、

牛スネ肉やバラ肉など、コラーゲン質が多く硬い部位に適した調理法ですが、

ポーションカットした魚やキャベツ・白菜などの野菜も【ブレゼ】することがあります。
いずれにしても、食材に少量の水分(ダシやワインなど)で蒸し煮にする工程は同じです。

フランス料理における「煮る」調理法②│エチュベ(étuvée)とは

エチュベ(étuver)は、野菜の水分で蒸し煮にする調理法です。

補足的に水分やブイヨンを少量足すこともありますが、基本的には液体をほとんど加えず、食材の自然の水分を利用してゆっくりと加熱します。

マオネコ

メインディッシュというよりは、付け合せの野菜を調理する際に用いられる調理法です。

フランス料理の「煮る」調理法③│ポッシェ(pocher)とは

ポッシェしたポーチドエッグ。

ポッシェ(pocher)は、食材を低温の液体(水やブイヨン)でゆっくりと煮る方法です、ポーチドエッグや、白身魚、ホタテ貝柱などをポッシェにすることが多いです。

温度は80℃〜90℃が理想で、沸騰させずに調理することが重要なポイントです。

マオネコ

肉や魚介類を沸騰した湯で長時間火入れすると、固くパサついてしまったり、形が崩れてしまうので、沸騰させない温度を保つのが重要です。

イメージとしては和食の「霜降り」やしゃぶしゃぶに近いです。

フランス料理における「煮る」調理法④│ラグー(ragoût)とは

ラグー(ragoût)は、肉や野菜を煮込んで作る煮込み料理の総称です。

「ブレゼ」は少量の液体(食材の1/3程度)で蒸し煮にするのに対し、「ラグー」材料が浸るほどの水分で煮込むのが特徴です。

マオネコ

フレンチでよく聞く「ブッフ・ブルギニョン」(いわゆるビーフシチュー)や、「フリカッセ」、「ブランケット」もラグーの種類です。

イタリアンでも、「魚介のラグーパスタ」、「仔羊のラグーソース」のように、パスタソースの名称でもよく使われます。

ここまでを簡単にまとめるとこんな感じです。

フランス料理の「煮る」調理法でも代表的な4種
  • ブレゼ(braiser)⇛食材を少量の水分とともに密閉して「蒸し煮」にすること。
  • エチュベ(étuvée)⇛野菜や素材自体の水分で「煮る」こと。
  • ポッシェ(pocher)⇛沸騰していない、やや低温のお湯でゆっくり火入れすること。
  • ラグー(ragoût)⇛野菜や肉を煮込む料理の総称。

フレンチの他の調理法との違い

マオネコ

ここでは、ポワレやヴァプールなど、フレンチの基本的な調理法との違いを簡単に紹介します。

ブレゼとポワレとの違い

ポワレ(poêler)は、「蒸し焼き」と訳され、フライパンで表面を焼き、オーブンで仕上げる方法です。

ブレゼと異なり、蒸し煮にせず、外側をカリッと仕上げることが特徴です。

🐾ポワレについてはこちらの記事で詳しく解説しています。🐾

ブレゼとヴァプールとの違い

ヴァプール(vapeur)は「蒸す」調理法で、蒸気の熱で食材を調理します。

ブレゼとは異なり、液体を使用せずに食材を柔らかくしつつも、しっとりとした食感を保ちます。

🐾ヴァプールについてはこちらの記事で詳しく解説しています。🐾

ブレゼやラグーを作るなら圧力鍋がオススメ

ブレゼを短時間で作るなら圧力鍋がオススメ!!

通常、本格的なブレゼやシチューを作ろうとすると、3~4時間も煮込む時間が必要となります。

しかし、圧力鍋を使えば、煮込み時間が40分ほどと、実に5倍以上の時短が期待できます!!

Amazonのカスタマー評価も平均4.4と高評価です!!

こちらの商品なら2~4人分の4.5Lサイズと、4~6人分の6Lサイズから選べます。

更に、蒸し機用の中かご付きで料理の幅が広がります!!

はじめに持つ圧力鍋としてはプロオススメです!

まとめ

フランス料理における「煮る」調理法は、ブレゼ、エチュベ、ポッシェ、ラグーといった多様な技法がありことが分かりましたね。

今回の内容を簡単にまとめるとこんな感じです。

フランス料理の「煮る」調理法でも代表的な4種
  • ブレゼ(braiser)⇛食材を少量の水分とともに密閉して「蒸し煮」にすること。
  • エチュベ(étuvée)⇛野菜や素材自体の水分で「煮る」こと。
  • ポッシェ(pocher)⇛沸騰していない、やや低温のお湯でゆっくり火入れすること。
  • ラグー(ragoût)⇛野菜や肉を煮込む料理の総称。
マオネコ

今回は用語としての「煮る」調理法について解説しましたが、いずれそれぞれの調理法を用いたレシピや、便利な調理機の紹介したいので、お楽しみに。

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通りすがりのペンギン

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この記事を書いた人

こんにちは!マオネコです!!
🐾現役フレンチ料理人
🐾西洋料理専門調理師

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