こんにちは!マオネコです!
西洋料理と言えばフランス料理やイタリア料理を真っ先にイメージしますよね。
近年はスペイン料理ブームの影響で西洋料理のジャンルは多種多様ですが、皆さんはフレンチ・イタリアン・ スペイン料理の違いはご存知ですか。
フレンチはコース料理のイメージで、イタリアンはパスタやピザだよね。
スペイン料理は…パエリヤぐらいかな?
有名な料理は何となくわかるけど、違いは何?と言われるとよくわからないや
今回はホテル料理人のマオネコそれぞれの違いを解説するよ!
- ホテルでフランス料理を10年以上続けています。
- 現在はシェフ・ド・パルティ(部門シェフ)
- 調理師免許の上位資格、【西洋料理専門調理師】取得。
駆け出しの料理人やこれからプロを目指す学生にとって、フランス料理、イタリア料理、スペイン料理の違いと特徴を理解することは、レシピや料理の理解度を深めるために重要なことです。
それぞれの料理文化を知ることで、料理の幅が広がり、より豊かな経験が得られるでしょう。
この記事を読んで、将来的に専門としたいジャンルを見つけたり、就職・進路選びの参考になってもらえたら幸いです!
🐾西洋料理の大まかな歴史
🐾フランス料理・イタリア料理 ・ スペイン料理の特徴やコースの流れ
西洋料理の起源と歴史を簡単に解説
フランス料理・イタリア料理・スペイン料理の特徴や違いを解説する前に、
西洋料理の起源(ルーツ)や歴史について簡単にまとめてみます。
西洋料理の起源は古代ギリシャからの影響(紀元前8世紀~4世紀頃)
古代ギリシャの食文化は、西洋料理の起源として重要な役割を果たしています。
ギリシャの料理は、穀物、ワイン、オリーブオイル、果物、魚介類などの基本的な食材を使用し、簡素でバランスの取れた食事をしていました。
このギリシャ料理の影響は、後のローマ料理や地中海沿岸地域の料理にも受け継がれていきます。
たとえば、ビネガーとコリアンダー(パクチー)を効かせた
野菜のグレッグ風マリネという料理が有名ですが、
グレッグ風とはギリシア風という意味です。
ローマ帝国時代の料理(紀元前27年 – 476頃)
ローマ帝国の拡大により多様化。
コショウやガルム(魚醬)など新しい食材や調理法が導入されたほか、宗教的な禁忌がほとんどないこともあって、料理はより洗練され、多様化していきます。
エスカルゴやフォアグラ、トリュフなどの高級食材も、このころから珍味として宴席で食されていたそうです。
476年のローマ帝国滅亡後、美食文化は衰退していきますが、その一部は中世以降のヨーロッパ宮廷料理へつながっていきます。
中世の料理(~15世紀頃)
中世ヨーロッパでは、キリスト教の影響や封建制度の発展により、料理と食事の文化がさらに発展しました。
貴族や聖職者の食事は豪華であり、肉やスパイスなど香辛料の使用が一般的でした。
一方、一般庶民の食事は簡素であり、穀物や野菜が中心でした。
中世の料理は、社会的地位や財力に応じて大きく異なるものでした。
中世後期(15世紀半ば ~18世紀)
ルネサンス期の文化復興や大航海時代の影響。
トマトやジャガイモなどもこの時期に新大陸から持ち込まれ、フランス、イタリア、スペインなどで独自の料理文化が形成される。
西洋料理のルーツは古代ギリシア料理がベースなんだね!
イタリアンと言えばトマトのイメージだったけど、歴史でいえば割と最近なんだ!意外!
近代以降(19世紀末 – 20世紀初頭)
19世紀末から20世紀初頭にかけて「料理の王様」と称されるエスコフィエが、フランス料理界で活躍。
フランス料理の発展に大きな影響を与える。
これ以上は話が逸れそうだから今回はだいぶ簡潔にしているけど、
いずれ もう少し西洋料理の歴史を深掘りした記事を書きたいと思うので楽しみにしていてください!
では本題に入りましょう!
この記事の参考文献
フランス料理の特徴とコース料理の流れ
フランス料理の特徴
フランス料理は、その洗練された技術と複雑な調理法が特徴的です。
例えば、ポワレ、ロティ、ブレゼ、コンフィなど様々な調理法が挙げられます。
フレンチの代表的な調理法についてはこちらの記事でも解説しています。
また、バターや生クリーム、フォアグラ、トリュフなどの高級な食材がフランス料理には頻繁に使用されます。
これらの食材は、料理に豊かな味わいとテクスチャーをもたらします。
そして、味の決め手は何といってもソースやブイヨンが重要な役割を果たします。
肉料理や魚料理に深みや風味(いわゆるコク)を与え、料理を引き立たせます。
フランス料理のコース料理の流れ
アミューズブーシュ(Amuse-bouche)
食前の小さな一口料理で、料理長の挨拶として提供されることが一般的。
アミューズとは「楽しませる」という意味があり、メニューにも「一口のお愉しみ」と記されることも多いです。
レストランの格式や個性を一口でお客様に伝えることで、その後の料理の期待度を高めるという重要な使命を背負っているので、
シェフによってはメインディッシュより重きを置いている方もいるほどです。
アントレ(Entrée)
アントレは『入口』の意味があります。軽めの前菜で、生ハムやカルパッチョ、サラダなどが提供されます。
あれ?前菜は『オードブル』じゃないの?
確かに、一般的に『オードブル』も前菜だけど、細かいニュアンスが違うので今回は『アントレ』で紹介します。
🐾『アントレ』と 『オードブル』の違いについて詳しく解説した記事はこちら!🐾
ドゥジェーム(Deuxième)
『第2の皿』を意味し、スープやリゾットなど温かい前菜が提供されることが多いです。
ポワソン(Poisson)
魚料理のことをポワソンと言います。
ヴァンブランソースという白ワインクリームソースを使った魚料理、オマールエビのダシで作るアメリケーヌソースを使った料理が有名です。
グラニテ (Granité)
必ずしも出されるわけではありませんが、魚料理とメインの肉料理の間に挟まれ、口直しに提供されるシャーベットのような氷菓子。
ビアンド(Viande)
肉料理のことをビアンドと言います。
フルコースの場合はメインディッシュとして提供されます。
牛肉や豚肉だけでなく仔羊や鴨肉もよく使われます。
赤ワインとフォンドヴォーを煮詰めたヴァンルージュソースやトリュフソースを使った贅沢な料理が有名です。
アヴァンデセール(Avant Dessert)
「アヴァン」は○○の前という意味です。
必ず付くわけではありませんが、メインデザートの前に提供されることのある、口直しの1皿です。
マカロンやチーズが良く出されます。
デセール(Dessert)
デザートのことをフランス語でデセールと呼びます。
コーヒーや紅茶とともに食事を締めくくります。
まれにメインデセールとは別に、小さなチョコレートやクッキー、フィナンシェなどのプティフールも提供するレストランもあります。
このように、フランス料理はコースの品数が多いのも特徴です。
近年ではコース料理の品数や食事時間も大幅に縮小してきているけど、
中にはパンや小菓子など細かいものも含めて13品3時間以上のコースを提供する本格的なレストランもあります!
イタリア料理の特徴とコース料理の流れ
イタリア料理の特徴
イタリア料理では、オリーブオイル、ニンニク、トマト、バジル、チーズなど、シンプルな材料を使用し、素材本来の味を活かした料理が最大の特徴です。
地産地消のコンセプトで日本各地の食材をアレンジしやすいので、地方の食文化と相性がいいです。
イタリアは地域ごとに異なる料理のバリエーションが豊富であり、季節の食材を大切にします。
マンマの味とよく言われるように、イタリア料理は家庭的な雰囲気を大切にし、食事は家族や友人との共同体験として重要視されます。
イタリア料理のコース料理の流れ
アンティパスト (Antipasto)
前菜のこと。生ハムやサラミ、マリネ野菜などが提供されます。
プリモ・ピアット (Primo Piatto)
第1の皿を意味し、パスタやリゾット、スープなどが提供されます。
セコンド・ピアット (Secondo Piatto)
第2の皿を意味し、肉料理や魚料理などのメインディッシュが提供されます。
ドルチェ (Dolce)
デザートのことをドルチェと言います。
ティラミスやパンナコッタ、アフォガード特に有名です。
食後にはコーヒーが提供されます。
バターやクリームをよく使うフレンチに比べて、軽めの料理が多く、コースの流れもシンプルなのが特徴ですね!
スペイン料理の特徴とコース料理の流れ
スペイン料理の特徴
スペイン料理と言えばパエリヤのイメージでしたが、近年ではアヒージョやピンチョスなどのタパス料理、バスク風チーズケーキなど、
日本でもスペインバルブームがあったので、身近になってきていると感じます。
スペイン料理は、地中海の風土や多様な文化の影響を受けた多彩な料理です。
古代ローマやアラブの文化との交流により、スペイン料理はさまざまな要素を取り入れ、独自の料理文化を形成しました。
特に、中世から近世にかけてのスペイン帝国の拡大により、新大陸からの食材の導入や貿易の拡大がスペイン料理の発展に貢献しました。
ヨーロッパでは珍しくタコを食べるのも特徴的です。
これはカトリック教徒は、「ウロコのない魚(=たこ・イカ・貝など)は食べてもよい」とされる宗教的背景があったためだと言われています。
スペイン料理の流れ
タパス (Tapas)
タパスは小さな一皿料理のことで、
- アヒージョ
- ピンチョス(串料理)
- トルティージャ(スパニッシュオムレツ)
- タコとジャガイモのガリシア風
などのタパスが有名です。
基本的にスペイン料理はアラカルト(単品メニュー)をシェアするスタイルが一般的です。
アラカルトから好きなものを組み立てコース仕立てにする【プリフィクス・スタイル】と言ったほうがいいですね。
その後の流れとしては、
- プリメロ (Primero): 第一料理として、スープやサラダなどが提供されます。
- セグンド (Segundo): メインディッシュとして肉料理や魚料理が提供されます。パエリアなどの一品料理も含まれます。
- ポストレ (Postre): デザートのこと。カタラーナやフランというクレームブリュレやプリンの様なデザートの他、チュロスなどのスイーツがあります。
まとめ
フランス料理、イタリア料理、スペイン料理、似ているようで、それぞれに特徴的な違いがあるのが分かりましたね。
フランス料理は精巧な調理法と高級な食材の使用が特徴で、コースの品数も多く、イタリア料理はシンプルな食材と地域ごとのバリエーションが楽しめます。
一方、スペイン料理は地中海の風土や多様な文化の影響を受けたバラエティ豊かな料理が魅力です。
ジャンル | 特徴 | 代表的な料理 |
---|---|---|
フランス料理 | ロティやコンフィなど、精巧な調理法をよく用いる。 生クリームやバター、フォアグラなど高級な食材の使用が特徴。コース料理の品数も多く、本格的な店なら13品目以上に及ぶことも。 | ・白身魚のポワレ・ヴァンブランソース ・牛フィレ肉のロティ・赤ワインソース ・鴨もも肉のコンフィ など |
イタリア料理 | オリーブオイル、ニンニク、トマト、バジル、チーズなど、シンプルな材料を使用した料理が多い。 地産地消との相性が良く、地元の食材でアレンジがしやすい。 | ・カプレーゼ ・ピッツァ・マルゲリータ ・ティラミス |
スペイン料理 | 古代ローマやアラブの文化との交流により、さまざまな要素を取り入れ、独自の料理文化を形成。 アラカルト(単品メニュー)でテーブルシェアすることが一般的。 | ・アヒージョ ・ガスパチョ ・パエリヤ |
似ているようだけど、調べてみると全然違うんですね!
🐾和食・洋食・中華・パティシエの特徴について解説した記事もあります!🐾
今回の記事を参考に、自分に合ったジャンルを見つけるきっかけになってくれたらうれしいです!
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