こんにちは!マオネコです!現役のフレンチ料理人です!!
調理科の高校や専門学校に通われている学生のみなさん、
将来の夢は決まっていますか?
将来、プロの料理人として活躍したいと考えている学生にとって、進路選びは非常に重要です。
和食、洋食、中華、パティシエなど、様々な料理分野があり、それぞれに魅力と特徴があります。
将来プロの料理人になりたくて専門学校へ通い始めたけど、和食と洋食、中華
どこに進めばいいのかまでは考えてないや。
友達は初めから和食の道へ進んで、将来お店も出したいと言っていたので、置いてかれてるようで焦っています。
この記事では、それぞれの分野の特徴や業界の事情を、ホテル調理歴10年以上のマオネコが解説していきます。
もちろん、一番は自分の興味のあることや好きな食べ物から選ぶのがいいのですが、
それでも迷っている方のために、就活の参考になる和食・洋食・中華・パティシエの特徴を紹介します!
皆さんが就職するうえで参考になれば幸いです。
- ホテルでフランス料理を10年以上続けています。
- 現在はシェフ・ド・パルティ(部門シェフ)
- 調理師免許の上位資格、【西洋料理専門調理師】取得。
和食
和食は、日本の伝統的な食文化を体現する料理です。
和食のプロを板前と呼びます。
2013年12月にはユネスコ無形文化遺産に登録されましたね。
繊細な包丁技、火加減の調整、四季折々の旬の食材の持ち味を生かした調理法などが特徴です。
一口に和食と言っても様々なジャンルがあります。
和食のジャンル
- 寿司職人:寿司ネタの選定や切り方、握り方などの基本技術を熟練させる。
- 天ぷら職人:季節の野菜や海鮮をサクッと揚げる技術を持つ。衣のサクサク感や素材の旨みを引き出し、てんぷらの美味しさを追求する。
- そば職人:手打ちそばや蕎麦打ち機を使って蕎麦粉を練り、細く伸ばして切る技術を持つ。伝統的な蕎麦の風味や食感を引き出し、美味しい蕎麦を提供する。
- 懐石料理:季節の食材を使った多皿料理(コース料理)など。
和食を基礎から万遍なくこなすなら、懐石料理を提供するホテルや料亭で修行するのがいいでしょう。
大きなホテルや料亭で和食の基礎を学びながら、寿司や天ぷらなど、自分に合った1つのジャンルに特化した道に進むのも選択肢です!
和食に対するマオネコのイメージ
洋食や中華よりも厳しいイメージのある和食の世界。
10年以上前はその上下関係の厳しさや長時間労働ですぐ辞めていく人が多い印象でした…。
ホテル勤務10年以上のマオネコの感覚だと、世界遺産に登録された時期から国内でも和食の人気が高まり、女性の方も含め板前を目指す人が増えてきた印象です。
近年は働き方改革の影響で、公休の取得や残業時間は改善されています。
2023年以降は新型コロナの影響も落ち着き、インバウンド(外国人の観光客)需要も増えているので、今後ますます活気づく業界でしょう!
和食のまとめ
・繊細な包丁技術と火加減の調整が求められる。
・世界遺産登録後、人気が高まっている。
・ホテルや料亭なら懐石料理などの基礎が学べる
・代表的なジャンルには寿司職人、天ぷら職人、そば職人などがある。
西洋料理(フレンチ・イタリアン・スペイン料理など)
西洋料理はフランス料理・イタリア料理・スペイン料理など、ヨーロッパ各国の料理を総称します。
多様な調理法、食材、文化を学び、創造性を発揮できる分野です。
フランス料理の特徴
- バターや生クリーム、フォアグラ、トリュフなどのリッチな食材が多く使われる。
- ソースやブイヨンを重視し、複雑な調理技術を要する料理が特徴的。
- 華やかな盛り付けと高度な技術を持つシェフが多い
イタリア料理の特徴
- シンプルで地元の食材を活かした料理が特徴。地産地消の観点から、地方の食材でのアレンジが得意。
- オリーブオイル、ニンニク、トマト、バジル、チーズなど基本的な食材が頻繁に使用される。
- パスタやピザなどが代表的であり、地域ごとに異なるバリエーションが存在する。
- 調理の手順が比較的シンプルであり、家庭的で親しみやすい味わいが特徴
スペイン料理の特徴
- 地中海の風土や多様な文化の影響を受けた多彩な料理が特徴。
- オリーブオイル、ニンニク、パプリカなどのスパイスやハーブが頻繁に使用される。
- タパスやパエリアなどのシェアリングスタイルの料理が一般的。
西洋料理を選ぶ際のアドバイス
ホテルに就職を考えているなら注意が必要!ホテル内のレストランのジャンルも調べておいたほうがいい
個人のレストランで修行を決めている場合はフレンチかイタリアンか、などのお店のジャンルが分かりやすいですが、
比較的小規模なホテルの場合、洋食はイタリアン専門しかない、といった場合もあります。
フレンチがやりたいのに希望のレストランがないと言ったケースは避けたほうがいいでしょう。
🐾こだわりのお店やジャンルがない場合は、大きなホテルの洋食部門で基礎を身につけ、将来的に興味の湧いたジャンルの道に進むことをお勧めします。
🐾特にホテルのオールダイニング(ブッフェレストラン)や宴会部門だとフレンチ・イタリアンなどのジャンルに拘らず、世界各国の料理を学べる機会が多いです!
西洋料理のまとめ
・フランス料理ではリッチな食材と複雑な調理技術が特徴。
・イタリア料理はシンプルな料理手法と地元食材の活用が特徴。
・スペイン料理はスパイスやハーブを多用し、シェアリングスタイルの料理が一般的。
・大きなホテルのブッフェレストランなら世界各国の料理や洋食の基礎を学べる。
中華料理
中華料理は、香辛料や調味料を巧みに使い、高温で調理する料理です。
スピード感とパワーが必要とされ、火力を活かしたダイナミックな楽しさがあります。
中華料理の代表的なジャンル
- 広東料理: 薄味で素材の味を生かした料理。代表的な料理には酢豚やワンタン麺があります。
- 北京料理: 小麦粉や肉を主に使い、代表的な料理には北京ダックや餃子があります。
- 上海料理: 海産物や野菜に恵まれ、こってりと甘い味付けが特徴。代表的な料理には八宝菜や小籠包があります。
- 四川料理: 辛さや麻辣が特徴で、代表的な料理には麻婆豆腐や担々麺があります。
中華に対するマオネコのイメージ
和食や洋食に比べると、なり手が少ないとよく言われますが、
逆に言うとライバルも少ないので、努力と根性で腕を磨けば比較的若いうちに出世できるイメージです。
私が初めて就職したホテルでは和食・洋食の料理長が平均40代半ばでの就任に対し、
中華の料理長は30代半ばという若さで活躍されていました。
※もちろんホテルの規模や人員などの職場環境にもよりますが
近年ではインバウンド需要や健康志向の影響で、ホテルの朝食を中華粥をメインとした中華レストランも増えてきているように思えます。
まな板も和食やフレンチと違って厚さが30センチ以上の丸い物を使っているのが印象的。
中には10キロ以上の重さのまな板もあるとか。
先輩のお気に入りのまな板を覚えて、出勤後に準備するという話を聞いたこともあります。
他にも、日本人向けではない本格的な中華料理、【ガチ中華】なるジャンルも話題です。
こちらは日本に移住した中国人が、同じく故郷を離れた同胞に本場の味を提供するお店として人気が出ています。
日本にいながら本格的な中国料理の新たなジャンルで活躍したい方はぜひ挑戦してみては。
中華料理のまとめ
・香辛料や調味料を巧みに使い、高温で調理する。
・広東料理、北京料理、上海料理、四川料理など、地域ごとに特色がある。
・和食や洋食に比べ、なり手が少ないので、努力次第で若く出世できる可能性もある。
パティシエ
パティシエは、デザートを専門とする料理人です。
繊細な技術と芸術的な感性を駆使し、見た目も味も美しい作品を作り上げていきます。
披露宴会場のある大きなホテルだと、ウエディングケーキも作ります。
お店のショーウィンドウに並んだケーキもかわいらしいけど、
プロのパティシエが仕上げる【アセットデセール】(皿盛りのデザート)はまさに芸術品。
飴細工やショコラティエの技術を学べるのも強みです!
12月のクリスマスシーズンは特に忙しく、早いところだと11月ごろには大型の冷凍庫を借りて、冷凍保存できるものを早めに作るなどの工夫をしています。
女性がたくさん活躍する仕事で華やかなイメージですが、重たい物も多く、数十㎏もある業務用の小麦粉の持ち運びがあったりと、意外と体力が必要になってきます!
パンを専門とするベーカリー部門(ブーランジェリー)もありますが、長くなるので今回は割愛します。
それぞれのジャンルのまとめ
ここまで和食・洋食・中華・パティシエについて解説してきました。
では簡単にまとめていきましょう。
専門のジャンル | 就活する際に抑えておきたいポイント |
---|---|
和食 | ・繊細な包丁技術と火加減の調整が求められる。 ・世界遺産登録後、人気が高まっている。 ・ホテルや料亭なら懐石料理などの基礎が学べる ・代表的なジャンルには寿司職人、天ぷら職人、そば職人などがある。 |
洋食 | ・フランス料理ではリッチな食材と複雑な調理技術が特徴。 ・イタリア料理はシンプルな料理手法と地元食材の活用が特徴。 ・スペイン料理はスパイスやハーブを多用し、シェアリングスタイルの料理が一般的。 ・大きなホテルのブッフェレストランなら各国の料理や洋食の基礎を学べる。 |
中華 | ・香辛料や調味料を巧みに使い、高温で調理する。 ・広東料理、北京料理、上海料理、四川料理など、地域ごとに特色がある。 ・和食や洋食に比べ、なり手が少ないので、努力次第で若く出世できる可能性もある。 |
パティシエ | ・デザート専門の料理人であり、繊細な技術と芸術的感性が必要。 ・アセットデセールなどの美しいデザート作品を生み出す。 ・女性が多く活躍するが、重たいものも多く体力が必要。 |
将来の進路を選ぶ際の決め手
4つのジャンルは何となく分かったけど、結局就職する時の決め手は何だろう。
自分が好きなのを選ぶといいよ!
ええ!?最後の最後に、結局それですか!?
自分の人生だから慎重になるのも分かるけど、結局はやってみないと向き・不向きも分からないからね。
中華から洋食に移った方もいれば、ホテルの部署異動をきっかけにフレンチからパティシエに転向して20年務めているシェフもいたりして、様々です。
なので迷ったときは、自分の好きな食べ物のジャンルで選ぶのも全然ありです!
ちなみにどうしてフレンチコックさんになったの?
マオネコは、当時の和食の厳しい世界のイメージが怖かったのと、非力なので中華の重たい鍋が振れないと思って西洋料理を選んだよ!
最初のレストランがフレンチレストランだったからそのままずっとフレンチ続けてます。
まさかの消去法…。
でも10年以上やってるから向いてたんじゃないかな。
職場の同僚に聞いても
何となく。とか、たまたま配属されたのがオールダイニングの洋食だったから。とか
結構そんな感じです。
なので、料理人になりたいけどどのジャンルに進むべきか迷ったときは
自分の好きな食べ物から選んだり、マオネコのようにできないことから考えるのもありだと思います。
他にも就職を考えるとき、
- ホテルと街のレストラン、どっちがいいのか。
- 学校や保育園、病院の給食はどうなのか。
- 海外に修行に行ったほうがいいのか。
など様々な悩みや不安があると思います。
機会があれば、またそれぞれの話を深彫りした記事を書きたいと思います!
今回の記事で自分の将来進む道を考えるきっかけになってくれたらうれしい限りです。
それでは。
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