【まとめ】フレンチの基本的な調理技法14選!!│ポワレとは?ヴァプールとは?シェフが徹底解説!

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ポワレやヴァプールなど、フランス料理の基本的な調理法14選の解説記事。

こんにちは!!フランス料理人のマオネコです!!

和食では以下の基本的な調理の5法があります。

  • 「生(なま。刺し身)」
  • 「焼く」
  • 「蒸す」
  • 「煮る」
  • 「揚げる」

「焼く」「蒸す」「煮る」「揚げる」調理法を、フレンチでは何と呼ぶか、皆さんはご存じですか?

※「生(なま)」はフレンチで扱わないので除外。有名なカルパッチョはイタリア語で、本来は牛肉を生食する調理法。

新人コック

ソテーとかボイル、フライは……英語ですね。
ポワレやヴァプールという言葉は聞いたことあるけど、意味はわからないです。

マオネコ

この記事ではフレンチの基本的な調理技法14種紹介します!!

\今回紹介する調理法14選はこちら!/

調理法フランス語概要
焼くポワレ(poêlé)フライパンとオーブンで「蒸し焼き」にする調理法。
ロティ(rôti)オーブンで仕上げる調理法。
ソテー(sauté)フライパンで炒める調理法。
ムニエル(meunière)魚に粉を振ってバターで焼き上げる調理法。
グリエ(grillé)直火で網焼きにする調理法。
蒸すヴァプール(vapeur)蒸気で蒸す調理法。
煮るブランシール(blanchir)沸騰した湯で下茹でする調理法。
ブレゼ(braisé)蒸し煮にする調理法。
エチュベ(étuver)素材の水分で煮る調理法。
ポッシェ(pocher)低温のお湯でゆっくり煮る調理法。
ラグー(ragoût)煮込み全般の総称。
揚げるフリール(frire)揚げる調理法。
その他の調理法コンフィ(confit)低温の油で煮る調理法。
アンクルート(en croûte)パイ包み焼き。
フレンチの基本的な調理法14選

それでは、いってみよう!

この記事を書いたマオネコって?
  • ホテルでフランス料理を10年以上続けています。
  • 現在はシェフ・ド・パルティ(部門シェフ)
  • 調理師免許の上位資格、【西洋料理専門調理師】取得。

目次

フレンチの調理法まとめ①│「焼く」

フレンチの「焼く」調理法は主に5つあります。

フレンチの「焼く」調理法
  • ポワレ(poêlé)
  • ロティ(rôti)
  • ソテー(sauté)
  • ムニエル(meunière)
  • グリエ(grillé)
マオネコ

それぞれ詳しく解説します。

ポワレ(poêlé)│蒸し焼き

フランス料理の基本の調理技法、ポワレのイメージ写真。

ポワレ「蒸し焼き」のことで、フライパンで焼く調理法

フライパンで「ソテー」に近いですが、厳密には違います。

古典的なフランス料理では、「大きな塊肉や魚1尾分をフライパン(鍋)で焼き色を付けてから、その煮汁とともに蓋をして、フライパンごとオーブンに入れて仕上げるという調理法でした。

しかし現代では、肉や魚を大きな塊ではなく1~2人前ずつの小さなポーションで焼いたり、オーブンに入れずフライパンだけで仕上げたりするときもポワレと呼び、定義が曖昧になっています。

マオネコ

料理人でない方は、【ポワレ】=フライパンで焼く調理法≒ソテーした料理と思って構いません。
しかしプロの料理人ならもう少し深堀りした知識があると良いです。

🐾ポワレについてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ。🐾

ロティ(rôti)│オーブンで焼く

フランス料理の基本の調理技法、ロティのイメージ写真。

ロティは肉や魚の表面に焼き色を付けて、オーブンで仕上げる調理法

ロティール(rôtir)という言葉もありますが、名詞か動詞の違いです。英語の「ロースト」の方が馴染み深いですね。

新人コック

ポワレとロティはどうちがうの?

マオネコ

ポワレとの大きな違いは、オーブンで仕上げることです。

「食材に焼き色を付けてからオーブンで焼く」というのは【ポワレ】と同じですが、ロティの場合はパイ皿やバットに移してから蓋をせず、長時間かけてじっくり火を通すのが特徴です。

近年では【ロティ】と【ポワレ】の違いは曖昧になっていますが、以下のように使い分けています。

  • 小ポーションの魚や肉をオーブンで短時間で仕上げる場合は【ポワレ】
  • 大きな肉を長時間かけて仕上げる場合は【ロティ】

ソテー(sauté)│炒める

フランス料理の基本の調理技法、ソテのイメージ写真。

ソテー(sauté)はフライパンで野菜などを炒める調理法。

ムニエル(meunière)│魚に粉をまぶしてバター焼きにする

フランス料理の基本の調理技法、ムニエルのイメージ写真。

ムニエル(meunière)は魚に小麦粉をまぶし、バターで焼く調理法。

グリエ(grillé)│網焼き

フランス料理の基本の調理技法、グリエのイメージ写真。

グリエ(grillé)は英語のグリルのことで、直火焼きの熱輻射を活かした調理法。網焼きとも言います。

ポワレやソテーに比べ、炭火の香りを纏うのが特長です。

かつてはオーブンに金網を敷き、食材を直火焼きして格子状の焼き色をつけていました。現代はグリル板を使うのが主流です。

フレンチの調理法まとめ②│ヴァプール(vapeur)「蒸す」

フランス料理の基本の調理技法、ヴァプール(蒸し)のイメージ写真。

ヴァプールは蒸し料理のこと。

食材を直接水に触れさせず、蒸気の熱でじっくりと火を通すため、素材の旨味や栄養を損なわずに調理できるのが特長。

新人コック

「白身魚のヴァプール」とかよく見かけるね!

蒸し器やセイロを用いる場合もありますが、ホテルやレストランではスチームコンベクションオーブン(スチコン)でヴァプールすることが一般的です。

マオネコ

イタリア語ではヴァポーレ(vapore)といいます。
似ているからついでに覚えておきましょう!

🐾ヴァプールについては、こちらの記事でも詳しく解説しています🐾

フレンチの調理法まとめ③│「煮る」

フレンチでは「煮る」調理法だけで5種類あり、かなり細分化されています。

フレンチの「煮る」調理法
  • ブランシール(blanchir)
  • ブレゼ(braisé)
  • エチュベ(étuver)
  • ポッシェ(pocher)
  • ラグー(ragoût)

ブランシール(blanchir)│茹でる

フランス料理の基本の調理技法、ブランシール(茹でる)のイメージ写真。

ブランシールは【茹でる】こと。

和食だと「茹でる」は「煮る」の1種なので紹介します。

ブロッコリーやほうれん草などの野菜を下茹でするときによく使う表現です。

パティシエの製菓用語でも「ブランシール」があります。製菓の場合は「卵に砂糖を入れて白っぽくなるまで混ぜる」工程のことです。

ブレゼ(braisé)│蒸し煮

フランス料理の基本の調理技法、ブレゼ(蒸し煮)のイメージ写真。

ブレゼ(braiser)「蒸し煮」という調理法。

基本的な調理法は以下の手順で作ります。

ブレゼの基本的な手順。
  • 食材(豚バラ肉や白身魚など)の表面に焼き色を付ける。
  • 鍋に少量の液体(ワイン、ブイヨン、水など)を加える。
  • 鍋に蓋をし、オーブンでじっくりと煮込む。(蒸し煮)

※圧力鍋を使ったり、スチコンで真空調理したりする場合もあります。

鍋をオーブンに入れてブレゼを作るイメージ

エチュベ(étuver)│素材の水分で蒸し煮にする

フランス料理の基本の調理技法、エチュベのイメージ写真。

エチュベ(étuver)は、野菜の水分で蒸し煮にする調理法

基本的に液体をほとんど加えず、食材の自然の水分を利用してゆっくりと加熱します。

メインディッシュというよりは、付け合せの野菜の調理法です。

ポッシェ(pocher)│沸騰しない程度の液体でゆっくり煮る

ポッシェ(pocher)は、沸騰しない程度(80℃〜90℃)の液体でゆっくりと煮る方法。

マオネコ

沸騰させない理由は、肉や魚などタンパク質の凝固や旨味の流出を防ぐためです。

  • ポーチドエッグ
  • 白身魚
  • ホタテ貝柱などがポッシェに適しています。

ラグー(ragoût)│煮込み料理

フランス料理の基本の調理技法、ラグー(煮込み)のイメージ写真。

ラグー(ragoût)は、肉や野菜を煮込んで作る煮込み料理の総称です。

「ブレゼ」が少量の液体(食材の1/3程度)で蒸し煮にするのに対し、「ラグー」は材料が浸るほどの水分で煮込むのが特徴です。

ラグーの例
  • ブッフ・ブルギニョン(ビーフシチュー)
  • フリカッセ(クリーム煮)
  • ブランケット(クリーム煮)
  • ボロネーゼ(ミートソース)など……

ブレゼやエチュベ、ポッシェ、ラグーなど「煮る」調理法についてはこちらの記事で詳しく解説しています!

フレンチの調理法まとめ④│フリール(frire)「揚げる」

フランス料理の基本の調理技法、フリュイのイメージ写真。

フリールは油で食材を揚げること。英語だとおなじみ、フライです。イタリアンだとフリットと言います。

フレンチの調理法まとめ⑤│その他の調理法

フレンチでは日本語で言うところの「焼く」、「蒸す」、「煮る」、「揚げる」に属さない特殊な調理法がいくつかあります。

マオネコ

「コンフィ」「アンクルート」をご紹介します。

コンフィ(confit)

フランス料理の基本の調理技法、コンフィのイメージ写真。

コンフィは食材を68度~73℃の低温の油で煮る調理法。

  • 鶏もも肉
  • 鴨のもも肉
  • 豚の肩ロース肉など……

コラーゲンが多く含まれる骨付き肉やブロック肉がコンフィに適しています。

コンフィのより詳しい解説と低温調理器を使ったレシピの記事もご覧ください。

アンクルート(en croûte)

フランス料理の基本の調理技法、アンクルート(パイ包み)のイメージ写真。
アンクルート

「アンクルート」とは、食材をパイ生地で包んで焼く調理法

  • パテ・アンクルート
  • スープのパイ包み焼き
  • サーモンのクリビヤックなどが有名。
フランス料理の基本の調理技法、パテ・アンクルート(パイ包み)のイメージ写真。
パテ・アンクルート
フランス料理の、アンクルート(スープのパイ包み)のイメージ写真。
スープのパイ包み
フランス料理の、アンクルート(パイ包み)のひとつ、サーモンのクリビヤックのイメージ写真。
サーモンのクリビヤック

パイ生地は常温だとすぐ溶けてダレやすくなるので、初心者や見習いのうちは扱いが難しい上級者向けの料理です。

マオネコ

いずれ、アンクルート(パイ包み)をより詳しく解説した記事も書く予定なので、楽しみにしていてください。

まとめ

この記事ではフレンチの基本的な調理技法14選を紹介しました。

今回紹介した調理法のおさらいです。

調理法フランス語概要
焼くポワレ(poêlé)フライパンとオーブンで「蒸し焼き」にする調理法。
ロティ(rôti)オーブンで仕上げる調理法。
ソテー(sauté)フライパンで炒める調理法。
ムニエル(meunière)魚に粉を振ってバターで焼き上げる調理法。
グリエ(grillé)直火で網焼きにする調理法。
蒸すヴァプール(vapeur)蒸気で蒸す調理法。
煮るブランシール(blanchir)沸騰した湯で下茹でする調理法。
ブレゼ(braisé)蒸し煮にする調理法。
エチュベ(étuver)素材の水分で煮る調理法。
ポッシェ(pocher)低温のお湯でゆっくり煮る調理法。
ラグー(ragoût)煮込み全般の総称。
揚げるフリール(frire)揚げる調理法。
その他の調理法コンフィ(confit)低温の油で煮る調理法。
アンクルート(en croûte)パイ包み焼き。
フレンチの基本的な調理法14選
通りすがりのペンギン

これだけ抑えておけば、コックさんだけじゃなく、
普通のペンギンでもレストランのメニューを見ただけでどんな料理か想像つきやすいね!

いずれ他の調理法や、イタリアンでの調理法についても紹介した記事を書きますのでお楽しみに!

年収や残業・休日の数など、労働環境に不安のある調理師のみなさんに朗報

マオネコ

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最後まで読んでいただき ありがとうございました!!

通りすがりのペンギン

またね!

ポワレやヴァプールなど、フランス料理の基本的な調理法14選の解説記事。

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この記事を書いた人

こんにちは!マオネコです!!
🐾現役フレンチ料理人
🐾西洋料理専門調理師

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