フランス料理のヴァプールとは?│フレンチのプロが分かりやすく、丁寧に解説。

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マオネコ

みなさんこんにちは!フランス料理人のマオネコです。

前回の記事では「ポワレ」について解説しましたので、

今回は【ヴァプール】について初心者からプロの料理人まで分かりやすく、丁寧に解説します。

結論から言うと、【ヴァプール】「蒸す」調理法のことです。

はい。

言葉の意味としてはこれで終わりですが、

ここからは【ヴァプール】のメリットやフレンチの他の調理法との違いについて
プロの目線から解説していきます。

この記事を書いたマオネコって?

🐾 ホテルフレンチ勤務歴10年以上。

🐾 調理師免許の上位資格、【西洋料理専門調理師】も取得。

🐾 詳しいプロフィールはこちらをどうぞ!!

それでは、いってみよう!

目次

ヴァプール(vapeur)とは│フランス料理で【蒸す】調理法のこと。

【ヴァプール】(vapeur)「蒸す」調理法にあたります。

フランス語で「蒸気」を意味し、その名の通り、蒸気を利用して食材を加熱する調理法です。

食材を直接水に触れさせず、蒸気の熱でじっくりと火を通すため、素材の旨味や栄養を損なわずに調理できます。

蒸し器やセイロを用いる場合も多いですが、ホテルやレストランではスチームコンベクションオーブン(スチコン)という機械でヴァプールすることが多いです。

マオネコ

ちなみにイタリア語ではヴァポーレ(vapore)といいます。
似ているからついでに覚えておきましょう!

ヴァプールのメリット

ヴァプールのメリット①│油を殆ど使わないヘルシーな調理法

【ヴァプール】は、油をほとんど使わないためヘルシーな調理法として人気です。

特に、健康志向の高い現代において、栄養素を損なわずに調理できる点が大きなメリットです。

ヴァプールのメリット②│肉や魚をしっとり柔らかく仕上げられる。

肉や魚の場合、蒸気の温度をコントロールすることで、タンパク質が凝固するのと、素材の水分(≒旨味成分)の流出を防ぎ、柔らかくしっとりと仕上げることが出来ます。

マオネコ

サラダチキンをイメージすると分かりやすいです。

白身魚なら70℃~80℃ぐらいの温度で、白ワインと【ヴァプール】すると美味しく仕上げることが出来ます。

ヴァプールのメリット③│均一な加熱が可能

蒸気は食材全体に均一に熱を伝えるため、ムラなく加熱できます。

これにより、食材の中心までしっかりと火が通りやすくなります。

ヴァプールの代表的な料理

ここではヴァプールを使った料理を紹介します。

前提として、プロが厨房で使用するスチームコンベクションで温度を調整してのレシピですのでご了承ください。

蒸し野菜

カリフラワーやブロッコリーなどの蒸し野菜は、塩やオリーブオイルでシンプルに仕上げると野菜本来の味を楽しめます。

カボチャやさつまいもなどの硬い野菜も、100℃~105℃くらいの温度で【ヴァプール】することでより甘みを凝縮して火入れすることが出来ます。

白身魚のヴァプール

真鯛やタラなどの白身魚を蒸して、レモンやハーブを添えると、シンプルながらも風味豊かな一品が完成します。

75℃~80℃のやや低温の温度で火入れすることで柔らかくしっとりした仕上がりになりますが、85℃以上の温度で長時間火入れすると身が固くぱさつくので気をつけましょう。

ムール貝の白ワイン蒸し

ムール貝をニンニクとハーブ、白ワインでヴァプールすると貝の旨味が凝縮してとても美味しいです。

ただ貝類は火が入りすぎると固くなるので、80℃を超えないように温度管理に気をつけましょう。

ヴァプールと他の調理法の違い

フランス料理では【ヴァプール】以外にも、「ポワレ」「ブレゼ」などよく聞く調理法があります。

それぞれの違いを簡単に説明します。

ヴァプールとポワレの違い

フランス料理で有名な調理法に「ポワレ」(poêlé)というものがあります。

【ヴァプール】「蒸す」調理法に対して、「ポワレ」はフライパンで「蒸し焼き」にする調理法です。

【ヴァプール】は柔らかくヘルシーでしっとりした仕上がりになるのに対し、「ポワレ」は油やバターを使う分、外側はカリッと、中はジューシーに仕上げる事ができます。

🐾ポワレについてはこちらの記事で詳しく解説しています。🐾

ヴァプールとブレゼの違い

「ブレゼ」(braisé)は「蒸し煮」のことで、少量の液体で食材をじっくり煮込む調理法です。

和食にはない調理法なので説明が難しいのですが、

【ヴァプール】は純粋に蒸気で調理するのに対し、ブレゼは液体を加えて長時間かけて煮込みます。

ブレゼはビーフシチューのような、煮込み料理だと思って良いです。(厳密には違いますが。)

フランス料理ではブレゼ以外にも

  • ポッシェ
  • エチュベ
  • ラグーなど、

「煮る」だけでも実に4種類以上もの調理法があります。

🐾フランス料理の「煮る」調理法については、こちらの記事で詳しく解説しています🐾

オススメの蒸し器

家庭で【ヴァプール】をするなら、シンプルな蒸し器が便利です。

収納場所にお困りの方は、フライパンにセットするタイプの蒸し器もあるのでオススメです。
ご家庭のフライパンの大きさに合わせてサイズがいくつかあるのが魅力的です。

マオネコ

プリンやクレームブリュレ、フラン(茶碗蒸し)も【ヴァプール】で作れるので、一家に1台あると便利です。

まとめ

今回はフランス料理の基本的な調理法、【ヴァプール】について解説しました。

簡単にまとめるとこんな感じ!

  • 【ヴァプール】は、蒸気を利用したフランス料理の調理法で、油をほとんど使わずにヘルシーに仕上げられる。
  • 特に肉や魚をしっとり柔らかく調理できる。

ヴァプールと、他の調理法の違いをまとめるとこんな感じ!

調理法解説
ヴァプール(Vapeur )・「蒸す」調理法。
ポワレ(poêlé)・「フライパンで蒸し焼き」にする調理法。
ブレゼ(braiser)・シチューのような「蒸し煮」にする調理法。
ヴァプールと共によく違いを聞かれる調理法まとめ。

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この記事を書いた人

こんにちは!マオネコです!!
🐾現役フレンチ料理人
🐾西洋料理専門調理師

このサイトは、今年ホテルやレストランに勤めたばっかりの新人コックさんや、これからプロの料理人になりたいと思っているあなたにとって、背中を後押しできるような情報を発信していけたらなと思って始めました。
優しいブログを目指します。

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